1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10557174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小松 久憲 北海道大学, 歯学部, 助教授 (30002182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 守 北海道大学, 歯学部, 助手 (10301889)
田中 亨 北海道大学, 歯学部, 助手 (90179771)
井上 哲 北海道大学, 歯学部, 助手 (80184745)
川上 進 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20125305)
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Keywords | 細菌同定臨床検査法 / 薬剤耐性 / 根管内滲出物 / PCR法 / DNA抽出 |
Research Abstract |
難治性感染根管の根管内浸出液を採取して、半流動GAM培地を応用した増菌法で嫌気培養を行い、根管内から検出される細菌について検討した。従来行われていた、嫌気用ポーター中に採取した試料を入れて培養した場合、細菌が検出されたのは22症例中6例であったのに対し、増菌法を行った場合は18例から細菌が検出された。この方法により、臨床検査としての実用性が可能と判断できた。さらに、15症例の難治性感染根管から採取した浸出物を増菌法で培養検査を行うとともに検出された細菌の抗生物質感受性についても検討した。α-StreptococcusおよびEnterococcusをはじめとするグラム陽性通性嫌気性菌が最も多く検出され、これら両菌種は、ペニシリン系およびセフェム系抗生物質に耐性傾向を示すことが明らかとなった(J.Endodon.,in press.)。これらの結果をもとに治療の短期化に努め、抗生物質併用の利点を臨床的に確認している。 一方、培養法では偏性嫌気性菌の場合、検出に約10日間を必要とする欠点があるため、より迅速な細菌検出法として細菌に共通の16SrDNAのユニバーサルプライマーによるPCR法での検出を検討した。現在、根管内浸出物の処理を可能な限り少なくしてPCR法が実施できる方法を模索しており、より簡便な方法としての実用化を進めている。また、従来行われているように、試料中のDNA抽出を行い、検出された16SrDNAを精製してその塩基配列を分析検索し、増菌法で得られた細菌種や薬剤耐性傾向に関するデータとの関連性を検討している。
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