1998 Fiscal Year Annual Research Report
鼻呼吸障害が睡眠段階ならびに咀嚼筋活動・下顎位に与える影響
Project/Area Number |
10557198
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮本 圭介 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (40229886)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新道 佳代 広島大学, 歯学部附属病院, 医員
上田 宏 広島大学, 歯学部附属病院, 助手 (20304446)
|
Keywords | 睡眠 / 鼻呼吸障害 / 下顎位 / 垂直的開口量 / 動脈血酸素飽和度 |
Research Abstract |
鼻呼吸障害が睡眠時における下顎位に与える影響について調査するため、磁気センサーを用いた下顎位の長時間記録システムを開発し、その精度について検討を行った。 上下顎の可撤式プレートに固定した磁石と磁気センサー間の距離変化により得られる電圧変化を直流プリアンプにて増幅して携帯型データレコーダに収録し、これをディジタル化して解析を行うシステムを構築した。咬合器上にて垂直的開口量-電圧較正曲線を得た後、5名の被験者の口腔内において、アクリル板を切歯間に挿入し開口させ、磁気センサーにて測定された垂直的開口量(計測値)とナソへキサグラフにて測定された下顎位(実測値)を比較した。 その結果、蝶番軸開閉口路上における中心咬合位からの開口量0-3mmでの標準誤差は0.73mm、3-10mmでは0.80mmであった。また、中心咬合位付近における側方・前方への下顎運動が垂直的開口量の計測値に与える影響は、2mm以下の水平運動で標準誤差0.70mmであり、垂直的開口量を長時間記録するにあたって十分な精度であると考えられた。これは、左右の磁気センサーからの出力和を用いたことにより、下顎の水平運動による影響を可及的に小さくすることができたためと考えられる。一方、左右の磁気センサーの出力差から下顎の側方運動量を検出できることも確認されたので、垂直的開口量と側方運動量を併せて検討することで、側方偏心位での咬合接触も観察可能であることが示唆された。 さらに、鼻呼吸障害ならびに著しい顎顔面骨格の不正を認めない健常成人6名(男性5名,女性1名、平均年齢30.8歳)について睡眠時の下顎位の記録を行ったところ、睡眠時間の約70%において垂直的開口量は3mm以であったことが明らかとなった。今後は、本システムを用い鼻呼吸障害が睡眠時における下顎位に与える影響について調査を行う。
|