1998 Fiscal Year Annual Research Report
ミトラガイナ属アルカロイドを先導物質とした新規オピオイド作用薬の開発研究
Project/Area Number |
10557229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高山 廣光 千葉大学, 薬学部, 助教授 (90171561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 俊治 千葉大学, 薬学部, 講師 (50209285)
渡辺 和夫 千葉大学, 薬学部, 教授 (80019124)
相見 則郎 千葉大学, 薬学部, 教授 (30009170)
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Keywords | ミトラガイナ属 / ミトラガイニン / インドールアルカロイド / オピオイド作用薬 / 鎮痛 / オピオイド受容体 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
タイ国内でアヘン代用薬として伝承的に用いられてきたアカネ科植物ミトラガイナ・スペシオーサ含有インドールアルカロイド類を先導化合物として、よりサブタイプに選択的で強力なオピオイドレセプター刺激あるいは拮抗作用を発現する新規有用化合物の創製を目指し、今年度は下記の研究を行った。 1) 化学的及び薬理学的研究の基礎的研究素材となる主含有成分Mitragynineの大量抽出と分離を行った。 2) マレーシアに自生するミトラガイナ・スペシオーサの含有塩基の詳細な検索により数種の新規微量成分を単離した。 3) 薬理学的検討により、Mitragynineは顕著なオピオイド受容体由来の鎮痛活性を有していること、さらに、摘出平滑筋標本における実験およびオピオイド受容体結合実験を行った結果、本化合物は、μ-受容体に対してモルヒネと同程度の親和性を示すことが明かとなった。そこで、各種誘導体を合成し、構造活性相関の検討を行って、作用発現に必要となる化学構造を考察した。その結果、インドール核の9位のメトキシ基の存在が必須であることが明かとなった。また、Mitragynine N-oxideの活性評価の結果、三級窒素(Nb)孤立電子対の存在も活性発現に必要であることがわかった。更に、Mitragynineは、C/D環がtrans-quinolizidine型をとることにより分子全体が平面性を有しているが、この立体の方が分子全体が折れ曲がった型(cis-quinolizidine)よりもオピオイド活性に有利であることが示された。一方、cis-quinolizidine型のHirsutineはκオピオイド受容体に対して親和性の高い、アンタゴニストとして作用することが示唆される実験結果を得た。 4) 合成したMitragynine誘導体のうち、9-Desmethylmitragynineは、摘出モルモット回腸標本においてオピオイド受容体に対してパーシャルアゴニストとして作用するという興味深い知見を得た。今後、本化合物の作用発現機構など詳細に検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiromitsu Takayama: "New indole alkaloids from the leaves of Malaysian Mitragyna speciosa." Tetrahedron. 54・29. 8433-8440 (1998)
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[Publications] Suchitra Thongpradichote: "Identification of opioid receptor subtypes in antinociceptive actions of supra-spinally-odministered mitragynine in mice" Life Science. 62・16. 1371-1378 (1998)