2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10557238
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
赤林 朗 京都大学, 医学研究科, 教授 (70221710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 直貴 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (70200409)
中尾 久子 山口県立大学, 看護学部, 助教授 (80164127)
大林 雅之 山口大学, 医学部, 教授 (50176989)
甲斐 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
家永 登 専修大学, 法学部, 助教授 (30265706)
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Keywords | 症例集 / ケースブック / 事例解析 / 生命倫理 / 医療倫理 / バイオエシックス / 医学教育 / 医の倫理 |
Research Abstract |
本年度は、課題研究の最終年度として、作年度考案した症例記載法(問題の難易度別に2段階に分ける方法)に基づき、最終的な症例選択を行い、記載案を作成した。初級編は、比較的問題点の所在が明確な症例を記し、問題点の簡潔な指摘と基本的用語や概念の説明などを付すという形式で、計14例を選択した(出生前診断、体外受精、子供への病名告知、幼児虐待、HIV/AIDS、妊娠中絶、医師の指示に従わない患者、癌の告知、介護・福祉・在宅医療、老人の代理決定、案楽死・尊原死、セデーション、脳死、臨床試験)。後半は、中級編として、簡潔な記載では漏れがちな様々な現場の複雑な要素を含んだ、応用問題的な症例を計8例選んだ(職場における感染症の対応、重度障害新生児の治療、夫以外の精子を用いて行う人工授精、信仰上の理由による治療拒否、病名開示、研究倫理)。これらの症例には、症例記載の後に2名程度の者がコメンタリーを書く、という形式をとり、論点の多様さを読者が理解できるように工夫した。さらに最後に付録としてつける用語集の項目を50項目を選んだ。本症例記載は、最終的な結論を導く方法まで提示したものではなく、問題点を同定・整理したものである。その後の判断は、各読者が自分で見い出すことを促すものである。引き続き、本研究班専用のインターネット上のホームページを活用し、症例を集める作業は続け最終的に出版することを考えている。本年度はこれらの編集作業を行い、最終的に報告書を作成した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Akabayashi,A etal.: "Paying for informed consent"Journal of Medical Ethics. 26(3). 212-214 (2000)
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[Publications] 家永登: "倫理面からみたインフォームド・コンセント-その役割と限界"ブレインナーシング. 16(11). 14-17 (2000)
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[Publications] 白浜雅司: "実習症例をもとにした「臨床倫理ケースカンファレンス」"医学教育. 31(6). 443-451 (2001)
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[Publications] 村岡潔: "医療倫理研究におけるケーススタディーの役割"医学教育. (印刷中).
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[Publications] 中尾久子: "生命倫理教育への取り組み"山口県立大学看護学部紀要. 4. 26-33 (2000)
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[Publications] 森下直貴: "脳死移植の哲学的解剖"臨床死生学. 5(1). 47-53 (2000)
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[Publications] 森下直貴: "死の選択-いのちの現場から考える"窓社. 263 (1999)