1999 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムDNA情報が不要となる血液中の微量mRNAを用いた迅速遺伝子解析法の開発
Project/Area Number |
10557250
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
巽 圭太 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00222109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松原 秀介 東洋紡, 敦賀バイオ研究所, 研究員
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Keywords | 遺伝子解析法 / RT-PCR / mRNA / cDNA |
Research Abstract |
本年度は症例の各種検体を用いて逆転写、一回のPCRで遺伝子の発現を組織によらず確認できるか調べた。 1.症例の各種検体でのRT-PCRの検討 一般の血液検体より平成10年度に実用化した高感度RT-PCRを用いて非特異的な組織でヨード輸送蛋白cDNAが増幅できるか検討した。対象遺伝子はヨード輸送蛋白cDNAで、非特異的な組織として末梢血と口腔粘膜、発現組織として甲状腺を用いた。対象症例は、ヨード輸送蛋白遺伝子に、V59EとT354Pの複合ヘテロ接合体である。 新鮮な検体よりRNA抽出、RT-PCRを行うと、末梢血と甲状腺では増幅を認めたが、口腔粘膜では増幅を認めなかった。従って、非特異的な組織でも発現量に差があり、末梢血が解析対象として有効であることが判明した。 (370) 2.遺伝子発現量の検討 対象症例の変異である、V59EとT354Pは各々一塩基置換で制限酵素切断により判別可能である。そこで逆転写後、V59EとT354Pの部位をPCR後、制限酵素切断してV59EとT354Pの対立アリルの量を検討した。その結果、末梢血と甲状腺の両者でT354Pの部位では正常(wt)とT354変異のアリルが同等量確認されたが、V59Eの部位では正常(wt)がT354P変異のアリルに対して有意の多くを認めた。 以上のようにして、本年度はヨード輸送蛋白cDNAの遺伝子変異を指標としてRT-PCRを検討し、非特異的な組織としては末梢血が解析対象としては有効で、口腔粘膜は利用しにくいことを明らかにした。また、一塩基置換の一つはPCRの効率に影響したと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tatsumi,K. &Amino,N: "PIT1 abnormality"Growth Horm TGF Res.. 9. 18-23 (1999)
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[Publications] Izumi. Y,Tatsumi K,et al.: "A novel mutation of the KAL1 gene in Kallmann syndrome"Endcr J. 46. 651-658 (1999)
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[Publications] Kimura M,Tatsumi K,et al.: "Enzyme Immunoassay for autoantibodies to human liner-type specific arginase and its clinical application"Clin Chem. 46. 112-117 (2000)
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[Publications] 巽 圭太,藤原裕和,網野信行: "Na^+/I^- シンポーター遺伝子異常による先天性甲状腺機能低下症"ホルモンと臨床. 47. 31-35 (1999)
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[Publications] 巽 圭太,網野信行: "下垂体のホルモン合成機構と転写因子異常症"小児内科. 31. 1189-1196 (1999)