1999 Fiscal Year Annual Research Report
小児肥満児に対する減量指導がレプチン濃度、エネルギー代謝、脂肪分布に及ぼす影響
Project/Area Number |
10558002
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Research Institution | MIE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
富樫 健二 三重大学, 教育学部, 助教授 (10227564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 英成 国立療養所三重病院, 小児科, 肥満児病棟主任
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Keywords | 小児肥満 / 運動療法 / 食事療法 / レプチン / エネルギー代謝 / 体脂肪分布 |
Research Abstract |
本研究では全国でも希な長期入院治療下にある肥満小児を対象とし、食事と運動を併用した減量プログラムが血中レプチン濃度、エネルギー代謝、体脂肪分布に与える影響について検討した。対象は単純性高度肥満児童とし、約4ヵ月の減量プログラム前後に形態、体組成、CT撮影、採血、運動負荷試験、エネルギー代謝測定を行った。減量プログラムは各個人の病態、体力値に見合った食事療法と運動療法とした。減量プログラム後、体重は有意に減少したにもかかわらずLBMは増加傾向を示し、脂肪の選択的減少が認められた。同様に血中のTC、TG、LDL-C、GOT、GPT、UAなどの生活習慣病危険因子も改善していた。総脂肪面積と血中レプチン濃度は有意な正の相関を示したことから小児においてもレプチン抵抗性の存在が認められた。総脂肪面積あたりの血中レプチン濃度は減量プログラム後有意に減少し、また総脂肪面積あたりの血中レプチン濃度と基礎代謝量は負の相関を示したことから、減量プログラムに伴い肥満小児のレプチン抵抗性が減弱し、エネルギー消費を増大させる方向へ働いている可能性が示唆された。CT画像から定量した皮下脂肪面積、内臓脂肪面積も減量プログラム後有意に減少したが、エネルギー代謝や血中レプチン濃度との脂肪蓄積部位の違いによる関連は認められなかった。基礎代謝量の絶対値は有意に減少したが、体重あたりでは有意に増加し、エネルギー消費量の増加が認められた。DIT反応は減量プログラム前後で有意な変化は認められなかった。以上の結果より、適切な減量プログラムは生活習慣病危険因子を低減し、さらにレプチン抵抗性を改善させることにより、基礎代謝などのエネルギー消費を増加させ、肥満小児おける将来の生活習慣病予防にとって有用であることが示唆された。
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[Publications] 富樫健二: "小児肥満児に対する食事+運動療法が、腹腔内脂肪蓄積に及ぼす影響について"デサントスポーツ科学. 18. 130-140 (1997)
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[Publications] 富樫健二: "肥満小児の体脂肪分布と生活習慣病リスクファクターに関する研究"デサントスポーツ科学. 20. 159-167 (1999)
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[Publications] 富樫健二: "肥満小児の基礎代謝・DIT反応における個人差と血中レプチン濃度、体脂肪分布との関連"健康医科学. 14. 129-136 (1999)
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[Publications] 富樫健二: "食事+運動療法が小児肥満のエネルギー代謝に及ぼす影響"日本運動生理学雑誌. Vol.5 No.1. 87 (1998)
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[Publications] Togashi,K: "The effect of dietary treatment and physical training on chronic disease risk factor in obese children"Medicine & Science in Sports & Exercise. Vol.30 No.5. S151 (1998)
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[Publications] Togashi,K: "Influence of exercise treatment on serum leptin levels in obese children"Medicine & Science in Sports & Exercise. Vol.31 No.5. S359 (1999)