1999 Fiscal Year Annual Research Report
筋の粘弾性特性を模擬した低体力者のための筋力トレーニング装置
Project/Area Number |
10558003
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
三田 勝己 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 治療学部, 部長 (40100169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 晋彦 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 治療学部, 研究助手
渡壁 誠 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 治療学部, 研究員 (70182946)
赤滝 久美 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 治療学部, 研究員 (30280811)
中山 治己 東海テクノ株式会社, 技術部・部長
鈴木 伸治 済生会, 伊豆医療福祉センター, 施設長
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Keywords | 筋 / 粘弾性特性 / アクチュエータ / トレーニング / 高齢者 / 障害者 / リハビリテーション / ロボット |
Research Abstract |
筋は単に力を発生するのみならず,柔軟な動きをする弾性的な機能と適度なダンピングをする粘性的な機能を併せもっている。さらに,筋肉の粘弾性機能が優れている点は,その強さつまり粘弾性係数が機械のように一定でなく,脳からの命令によって自由に変化することである。本研究では,筋の可変粘弾性特性を運動生理学の手法を用いて分析すると共に一つの制御システムとして記述し,これを手がかりに筋の粘弾性機構を模擬したアクチュエータを開発する。さらに,この機構を高齢者・障害者など低体力者の安全な筋力リハビリテーション装置として実用化することを目的とした。本年度は,昨年度開発したアクチュエータユニットを用いて,様々な運動経験をもつ被験者を対象に,弾性負荷に対する手関節屈伸による追跡動作実験を行い,ウエーブレット変換を用いて追跡動作誤差の時間-周波数解析を行い,さらに,昨年度考案した連成振動モデルを手がかりに筋の弾性特性を推定した。そして,運動経験と筋弾性特性との関連を分析し,本装置と数理解析法によって運動経験の差異や特徴がとらえられるかどうか検討した。その結果,手関節を巧緻的,積極的に使う卓球やバドミントンの経験者と比較的粗大な運動である重量挙げや陸上競技の経験者の間に筋弾性特性に違いが認められた。このことは本方法が高齢者・障害者など低体力者のリハビリテーション効果を評価しうることを期待させるところであった。また,臨床現場への応用を目的としたアクチュエータユニットの開発にも着手し,次年度は高齢者・障害者を対象とした実証実験に入る予定である。
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