1998 Fiscal Year Annual Research Report
接触温を考慮した床暖房設計基準の提案と竣工検査用模擬足の開発
Project/Area Number |
10558004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
永村 一雄 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (60138972)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新平 鎮博 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (50171369)
深井 一夫 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (60156734)
|
Keywords | 床暖房 / 低温やけど / 模擬足 / 規準値 / シミュレーション / 皮膚接触温度 / 温熱療法 |
Research Abstract |
医学方面で低温治療の際の皮膚温度刺激の注意事項としてよく引合に出されるGerweckの生物細胞の温度依存性試験結果から、本研究の低温やけどに閾値に関する有益な情報を入手することができ、これによれば、40℃を越え出すと細胞の死亡率が上昇し始め、42℃を越えると細胞不活性化作用が顕著となり危険であることが判った。また、温浴療法などの文献調査より、体温が40℃を越える時点で動脈瘤が生じやすくなり、高齢者にとっては危険側の温度となることも判った。このとき、たとえ浴槽温度が38℃であっても、20分間以上も浴槽に浸かっていると体温調節機能が維持できなくなり、先の危険域である40℃を越え出すこともわかった。床暖房は、浴槽と異なって人体接触面は小さく、この意味で熱容量も浴槽ほど効かないが、睡眠など長時間の高温接触は、やはり浴槽と同じ影響を及ぼすと考えられるので、生活行動の規範を作成する上での資料とすることとした。また、接触温度を推定する模擬足は、本研究の発足理由ともなっていた水循環の漏水問題に解決の糸口を見出した。循環部と蓄熱部、および模擬足支持部の構造体への取り付けにOリングを採用し、圧着面加工を施すことで、解決しつつある。一方、現実との整合性試験については、冬季に実験計画をたて、2月から年度末まで実施中である。実際の利用家庭での床暖房の使用実態、生活様式や家族構成などを模擬した環境で、シミュレーションや模擬足の温度推定の精度判定に反映させる予定である。
|