2000 Fiscal Year Annual Research Report
耐光性の高い分散及び反応染料の化学構造と耐光性に関する研究
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10558005
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Research Institution | Otsuma Women's University, Junior College |
Principal Investigator |
岡田 安代 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 教授 (90118729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜原 利夫 ダイスタージャパン株式会社, テクニカルセンター, 所長
姫野 清 ダイスタージャパン株式会社, 研究所, 所長
高野 梓 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 助手
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Keywords | アゾ分散染料 / ポリエステル繊維 / ポリアミド繊維 / 還元退色 / 酸化退色 / トリフェノジオキサジン反応染料 / 集合 / 酸化剤との反応 |
Research Abstract |
ポリエステル(PET)及びポリアミド繊維上の6種のモノアゾ分散染料を好気性及び嫌気性条件下で露光し、その退色挙動を解析した。これらの染料は、二つの繊維上で例外を除いて、還元退色を示す。光増感性の高いビニルスルホン系銅フタロシアニン(CuPc)染料と混合染色して露光すると、単独染色の場合と比較して、還元退色が抑制される。これは、CuPcにより発生した一重項酸素が還元退色を抑制したためである。ナイロン上のアゾ染料はPET上に比べて、酸化退色も還元退色も大きくなる。露光によって生じる還元退色が自己増感作用で抑制されると高耐光性になる。 4種のトリフェノジオキサジン(TPDO)系反応染料の水溶液中、セルロース上、及びナイロン上における集合挙動を検討した。モノクロロトリアジン系(MCT-TPDO)及びトリアジン環にビニルスルホニルフェニルアミノ基を置換した染料(BF-TPDO)は、ビニルスルホン基がTPDO環に置換した二つの染料(VS-TPDO)よりも集合性が低い。1つのVS-TPDOについての二量化の集合定数を水溶液中とセロハン上で求めた。セロハン上では水溶液中よりも二桁集合定数が減少するが、水で膨潤と10倍程度増加する。4つのTPDO染料は、セロハン及びナイロン上で、水溶液中と同じ集合性を示した。 4種のセロハンに染色したトリフェノジオキサジン(TPDO)系反応染料の次亜塩素酸及び過酸化水素との反応を水溶液中で調べた。次亜塩素酸とTPDO染料は、HClOとの求電子反応とClO^-との速度が一桁小さい求核反応を、過酸化水素とTPDO染料は、H_22O^-との求核反応をそれぞれ行う。HClOとの求電子反応の反応速度は、VS-TPDO<BF-TPDO<MCT-TPDOであり、H_2O^-との求核反応の反応速度は、BF-TPDO<MCT-TPDO<VS-TPDOとなり、求電子反応と求核反応で反応性が逆の関係にある。セロハン上に残る反応染料の分解物は、セルロースに結合した反応性基が主で、二つの酸化剤で差異がない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kiyoshi Himeno,Yasuyo Okada,and Zenzo Morita: "Photofading of monoazo disperse dyes on polyester and polyamide substrates"Dyes and Pigments. 45. 109-123 (2000)
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[Publications] Toshio Hihara,Yasuyo Okada,and Zenzo Morita: "The aggregation of triphenodioxazine reactive dyes in aqueous solution and on cellulosic and nyion substrates"Dyes and Pigments. 45. 131-143 (2000)
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[Publications] Toshio Hihara,Yasuyo Okada,and Zenzo Morita: "The reaction of triphenodioxazine dyes with bleaching agents, hypochlorite and hydrogen peroxide, in aqueous solution"Dyes and Pigments. 46. 181-192 (2000)