1999 Fiscal Year Annual Research Report
www上で実行可能な科学技術日本語論文の解析と作成支援システムの開発と評価
Project/Area Number |
10558019
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤堀 侃司 東京工業大学, 教育工学開発センター, 教授 (80143626)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 清方 東京学芸大学, 教育学部, 教授
小野 博 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10051848)
清水 康敬 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (10016561)
仁科 喜久子 東京工業大学, 留学生センター, 教授 (40198479)
猿橋 泉 株式会社NOVA, 情報システム・コンピュータ事業本部, 取締役本部長
|
Keywords | 科学技術論文 / 日本語学習 / インターネット / 学習支援システム / WWW / 自然言語処理 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は、以下のとおりである。 (1)「科学技術日本語論文構造解析システムの開発」 文章の結束関係を用いた科学技術日本語論文の構造解析システムの開発を行なった。そのために、結束表現および見出しの情報に着目して、科学技術日本語論文を解析するためのルールを作成した。構造解析システムは、自然言語処理技術を用いて、WWW上で実行可能なシステムであり、科学技術日本語論文の見出し構造と、結束表現を自動的に抽出し、その結果をブラウザ上で表示することが可能である。 (2)「科学技術日本語論文構造解析システムの評価」 開発した構造解析システムのシステム評価を行なった。具体的には、結束表現と見出し情報の抽出におけるルールセットの解析精度の測定を行ない、その結果からさらにルールを修正し、システムのパフォーマンスを向上させた。 (3)「科学技術日本語論文作成支援システムの開発」 構造解析システムをもとに、科学技術日本語論文作成における"見出し情報"と、"結束表現"の記述を支援するシステムを開発した。本システムでは、学習者が選択した結束表現に応じて、75編の科学技術日本語論文のテキストコーパスから、論文中に結束表現を含む文を例文として自動的に抽出し、学習者が自由に参照できるような機能を実現した。 (4)「科学技術日本語論文作成支援システムの評価」 開発した作成支援システムの評価実験を行った。2つの評価実験の結果から、本システムで実現した、"見出し構造の提示"、"結束表現の提示"、及び"コーパスから例文の参照"、といった機能が、科学技術日本語論文の作成に極めて有効であることが分かった。また、評価実験のインタビュー結果から、日本語学習者にとって、本システムは、科学技術論文作成に有効なだけではなく、日本語学習にも有用であることが示された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Yang J.C.,Akahori K.: "An Evaluation of Japanese CALL Systems on the WWW Comparing a Freely Input Approach with Multiple Selection"CALL Journal. 12・1. 59-79 (1999)
-
[Publications] Yang J.C.,Akahori K.: "Development and Evaluation of a CALL system for Technical Japanese Text Writing on the WWW"ROCMELIA 99. 289-300 (1999)
-
[Publications] 杉村和枝,赤堀侃司: "多義動詞のイメージスキーマ・日本度・英語間におけるイメージスキーマの共通性の分析"日本語教育. 99. 48-59 (1999)
-
[Publications] 柳沢昌義,荒井健太朗,赤堀侃司: "多様な入力対応できるwww上の日本語支援システム"第2回「日本語教育とコンピュータ」国際会議. 151-156 (1999)
-
[Publications] 揚 接期,赤堀 侃司: "文章の結束関係を用いた科学技術日本語テキストの作成支援システム"日本教育工学会第15回大会講演論文集. 323-324 (1999)