1998 Fiscal Year Annual Research Report
並行・分散計算の先進的理論に基づく分散プログラミング言語処理系の構築
Project/Area Number |
10558040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 直樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (00262155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 日本学術振興会特別研
登内 敏夫 日本電気, C&Cメディア研究所, 担当研究員(研究職)
米澤 明憲 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00133116)
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Keywords | 線形論理 / 型システム / デッドロック / 分散プログラミング言語 / 並行プログラミング言語 |
Research Abstract |
本研究では、最新の基礎理論・実装技術に基づき、安全かつ効率の良い分散・並行プログラミング言語を再設計・実装することを目的とする。本年度の成果は以下のとおり。 言語設計の前準備として、様相線形論理に基づく分散計算モデルを定式化し、表現力の検証を行なった。また、既存の言語Javaの機能の一部であり、最近注目を集めているvirtual typeを形式的な計算系で表現することを試み、成功した。これらにより、理論的に明解な計算モデルに基づいた分散言語を設計する見通しがたった。 並行・分散プログラムの安全性を保証するため、デッドロックフリーダムを保証する型システムの一般化を行ない、型チェッカのプロトタイプの実装を行なった。この型システムを設計する言語に組み込むため、部分型推論アルゴリズムの開発に着手した。 並行・分散プログラムを効率よく動作させるための基盤技術として、高効率かつ汎用性の高い細粒度スレッドライブラリを構築した。このライブラリを用いれば次年度以降に構築する言語のコンパイラのコード生成部が非常に容易になる。 並行・分散プログラミング言語のメモリ管理のための技術として、従来型の動的情報に基づくガーベジコレクションだけに頼らず、静的情報を積極的に生かしてより効率のよいメモリ管理を行なうために、一回しかアクセスされない値を検出するための線形型システムを拡張した疑似線形型システムを構築した。それに基づくプログラム解析システムのプロトタイプ(とりあえずの試みとして逐次言語MLを対象とした)を作成し、有効性が確かめられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Naoki Kobayashi: "Quasi-Linear Types" Proceedings of ACM SIGPLAN/SIGACT Symposium on Principles of Programming Languages(POPL'99). 29-42 (1999)
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[Publications] N.Kobayashi,T.Shimizu,and A.Yonezawa: "Distributed Concurrent Linear Logic Programming" Theoretical Computer Science. (印刷中). (1999)
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[Publications] K.Taura,K.Tabata,and A.Yonezawa: "StackThreads/MP: Interfrating Futures into Calling Standards" Proceedings of ACM SIGPLAN Symposium on Principles and Prac-tice of Parallel Programing(PPOPP'99). (印刷中). (1999)
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[Publications] Eijiro Sumii and Naoki Kobayashi: "A Generalized Deadlock-Free Process Calculus" Proceedings of Workshop on High-Level Concurrent Language(HLCL'98),Electronic Notes on Theoretical Computer Science,Elsvier publishers. 16-3. 55-77 (1998)
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[Publications] Atsushi Igarashi and Ben-jamin C.Pierce: "Foundations for Virtual Types" Proceedings of the 6th Inernational Workshop on Foundations of Object-Oriented Languages(FOOL6). 1-15 (1999)
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[Publications] 別府 祥之,登内 敏夫,中島 震: "デザインパターンに基づくドメイン依存言語用ツールキット" 情報処理学会研究報告. 98-SE-121. 163-170 (1999)