イベント・アクション・モデルを用いたビデオ・データベース内容検索システムの開発

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10558053
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 渡辺 豊英 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80093342)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 朝倉 宏一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80273283) ; 佐川 雄二 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (90242833)
• Keywords: イベント / アクティビティ / オートマトン / マルチメディア・データベース / インデックス系列 / ビデオ・スキーマ / 利用者の視点 / 野球録画

Research Abstract

デビオ・データベースは動画像の内容検索、マルチメディア・データベースなど、情報化時代の一つのキーワードとともに様々な興味、試みが今日ビデオ・オンデマンド・システムの実現に向けて検討されてきた。画像内のオブジェクトの同定・識別という視点から画像処理、パターン認識の立場で、連続フレームの効率的な蓄積・検索法の視点からデータベースの立場で研究されているが、相互に融合・複合した視点が必要であり、現在もまだ多くの困難な問題が存在している。
本研究課題では、主にデータベースの視点からビデオ・データを扱うことを目的とし、個々のフレーム内の、また連続したフレーム間のオブジェクトの同定・識別を直接の問題とはしていない。もちろん、理想的なビデオ・データベース・システムを構築するには、オブジェクトの同定・識別は避けられない問題であるが、現レベルではカット検出、テロップ識別・抽出、カメラ位置推定などの、従来的な画像処理技法で確立、または実証された方法のみを流用している。本研究課題では、ビデオ・データベースとして従来的に試みられたフレーム区間インデックスによる探索法の実現ではなく、フレーム個々に付与したインデックスからそのインデックス系列を解釈する機構の上で検索を実現するというアプローチを採用している。従って、従来の方法に比べて、より動的に利用者の検索内容を照合・抽出することができる。このために、フレームとフレーム間で有意と認められる変化をイベント(インデックス・データ)とし、イベントによって変化した状況表現をアクティビティ(イベント系列)とする枠組みを提案・実現している。ビデオ・データベースとして、野球録画を用いて、その基本的な照合・検索はイベント駆動的なオートマトン遷移によって実現している。これをイベント-アクティビティ・モデルと呼んで、このモデルの下に検索機構を実現した。

Research Products

• [Publications] 牛尾剛聡、広部一弥、酒井宏治、孫魯英、渡辺豐英: "イベント・アクション・モデルに基づく動画像検索システム" 情報処理学会研究報告・データベースシステム. 115,12. 79-86 (1998)
• [Publications] 広部一弥、牛尾剛聡、酒井宏治、孫魯英、渡辺豐英: "イベントと状況変化の依存関係に基づいた野球中継のインデキシング支援" 情報処理学会研究報告・データベースシステム. 115,12. 87-94 (1998)
• [Publications] 広部一弥、牛尾剛聡、渡辺豊英: "状況変化に基づく内容推定によるビデオ・データベースのインデキシング支援" 情報処理学会第57回(平成10年後期)全国大会論文集. 3. 43-44 (1998)
• [Publications] 牛尾剛聡、広部一弥、渡辺豊英: "ハイパービデオを用いたビデオ・データベースの効率的なブラウジング手法" 情報処理学会第57回(平成10年後期)全国大会論文集. 3. 45-46 (1998)
• [Publications] 牛尾剛聡、渡辺豊英: "動画像中の実体の可変的な役割に基づくシーン検索手法" Proc.of ADBS'98. 135-142 (1998)
• [Publications] 牛尾剛聡、広部一弥、渡辺豐英: "利用者の視点に基づくシーン検索のためのイベント・アクティビティ・モデル" 電子情報通信学会論文誌D-I. J82-D-I,1. 256-267 (1999)