1998 Fiscal Year Annual Research Report
脱温暖化ガスに向けての高活性有機系粉末吸着剤利用流動層型吸着式熱回収機器の展開
Project/Area Number |
10558073
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
稲葉 英男 岡山大学, 工学部, 教授 (40133805)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 公一 岡山県立大学, 情報工学部, 助手 (20224206)
堀部 明彦 岡山大学, 工学部, 助教授 (50229241)
|
Keywords | 吸着 / 脱着 / 有機系吸着剤 / 流動層 / 粉末 / 吸着熱 / 水蒸気 / 熱伝達 |
Research Abstract |
本年度は、開発した有機系吸着剤であるアクリル酸粒子にカルボキシル基を置換した吸着剤の基本物性の測定と得られた実測値のデータベース化を行い、そしてその評価から有機吸着剤の最適な利用条件の検討を行った。まず超微細構造観察システムにより、試料としての吸着剤外観構造とその粒径分布を明らかにした。その結果、開発した吸着剤粒子は、球形の独立粒子で比較的表面積が大きく、吸着面積の上から吸着性能が優れていることが判明した。次に有機吸着剤の温度、湿度と吸着量の平衡状態の関係を恒温恒湿槽内で精密質量計にて測定し、温度平衡吸着曲線を得た。有機吸着剤の場合は、従来のシリカゲル系吸着剤に比較して、その吸着量が2倍以上であることが明らかとなった。さらに、より低温で脱着することも判明し、低温未利用熱エネルギーの活用に、提案する有機吸着剤が最適であることも明らかとなった。また、有機吸着剤の吸熱量と比熱は、示差操作型熱量計で測定し、その吸着量は水蒸気の凝縮熱と同じであることを明らかにした。有機系吸着剤の熱伝導率は、プローブ型熱伝導率計で測定し、種々の密度での熱伝導率が明らかとなった。有機吸着剤の脱吸着にともなう体積膨張率は、精密密度測定装置で測定され、そのデータから脱着及び吸着過程における吸着剤の流動化特性を予想ことか可能となった。 これら得られた有機吸着剤の諸物性データは吸着剤の見かけの密度、温度、湿度ごとにデータベース化し、有機吸着剤の動的特性を実験の基礎資料となることを明らかにすると同時に、最適な動的特性を得る利用条件の特定に役立つものであることも判明した。
|
Research Products
(1 results)