1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10558083
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
北田 敏廣 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40093231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 学児 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (90283506)
石坂 隆 名古屋大学, 大気圏科学研究所, 助教授 (50022710)
近藤 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20110752)
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Keywords | 化学輸送モデル / バイオマス燃焼 / 地球規模大気汚染 / エアロゾル / NOx / SOx / アジア / 環境汚染 |
Research Abstract |
地球規模での人為および自然の化学物質の大気排出が対流圏大気の組成にどう影響するかを予測できる全球モデルの開発を行うことを目的にしている。(1)発展途上国における化石燃料使用の急速な増加、(2)農耕等に端を発する大規模な森林火災、(3)航空機による下部成層圏での窒素酸化物等の排出、(4)水田や家畜からのメタン等の人為的な微量化学物質の排出、(5)雷放電による窒素酸化物排出、(6)植物起源の炭化水素排出、(7)海洋からのいおう化合物やハロゲン発生、(8)火山によるいおう化合物等の排出、(9)黄砂等の地表からの微粒子の発生など人為および自然発生源の相互作用でどのようなことが生じうるかを模擬できる全球モデルの開発を目指している。モデルは、輸送過程(移流・拡散・サブグリッド積雲対流)、化学反応(気相系・異相系・液相)、沈着、(雲生成・降水生成に基づく湿性沈着、乾性沈着)の各プロセスを含む包括的なオイラー型全球モデルである。平成11年度は、最終年度(平成12年度)における全球モデルの完成に向けて、部分球モデルの適用による検証に主力をそそいだ。対象は東経80-160度、南緯20度-北緯60度であり、北部オーストラリアから東アジアの全域を含む。上記の全排出源を含むが、特にオーストラリア、インドネシアのバイオマス火災のオゾン生成等に対するインパクトに注目した。クアラルンプール(マレーシア)、ワトコセ(インドネシア)におけるオゾンの鉛直分布観測値を対照にして、オーストラリアのバイオマス燃焼の影響が、広域の輸送特性とによってどう伝達されるかを考察した。北部オーストラリアからジャワ、カリマンタン南部は乾季に高気圧支配下にあり対流圏中層は安定成層でバイオマス燃焼排出物の上方への輸送が阻害されること、それら排出物がスマトラ島、カリマンタン北部に達することによって活発な積雲対流運動により対流圏全層に運ばれること等のダイナミクスを定量的に推定できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kitada,T.,Nishizawa,M.,Kurata,G.,and Kondo,Y.: "Effect of bio-mass burning on tropospheric chemistry in South-east Asia-A numerical simulation for September and October,1994"Proc.24th NATO/CCMS ITM on Air Pollution Modeling and its Application. (in press). (2000)
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[Publications] Kitada,T.,Okumura,K.,Nakanishi,H.,and Mori,H.: "Production and transport of ozone in local flows over central Japan-Comparison of numerical calculation with airborne observation"Air Pollution Modelling and Its Application XIII. 205-215 (2000)
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[Publications] Kurata,G.,Oketani,K.,Kitada,T.,and Hara,Y.: "Estimation of soil erosion and sediment transport in the Mekong River Basin using global mapping data"Journal of Global Environment Engineering. Vol.5. 111-125 (1999)
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[Publications] 北田敏廣、西沢匡人、倉田学児、千田幸広、鶴田治雄、近藤豊: "東南アジアにおけるバイオマスバーニングの対流圏大気化学に及ぼす影響ー1994年9-10月事例のモデルシュミレーション"第9回大気化学シンポジウム講演集. 155-171 (1999)
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[Publications] Kondo,Y et al: "Partitioning of reactive nitrogen in the midlatitude lower stratosphere"J.Geophys.Res.. Vol.105. 1417-1424
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[Publications] Watanabe,K.,Ishizaka,Y.and Takenaka,C.: "Chemical composition of fog water near the summit of Mt.Norikura in Japan"J.Meteor.Soc.Japan. Vol.77. 997-1006 (1999)