1998 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素の海水への溶存状態精密解析とオンサイト計測システム構築
Project/Area Number |
10558084
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本水 昌二 岡山大学, 理学部, 教授 (50032826)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 俊夫 岡山大学, 理学部, 助手 (50263554)
大島 光子 岡山大学, 理学部, 助教授 (80108117)
|
Keywords | 二酸化炭素 / 精密測定装置 / 海水 / 海洋 / オンサイト計測 / フローインジェクション分析 / 溶存状態 |
Research Abstract |
二酸化炭素のオンサイト精密測定装置の試作,高感度検出試薬の合成そして(大気-海洋)間の二酸化炭素の分配平衡・溶解速度の精密解析に成功した. 1. 二酸化炭素のポータブル型精密測定装置の試作 (1)高効率ガス拡散装置の開発に成功し,装置の長期間,安定な稼働のための流路切り替えバルブ付き恒温システムを開発した.本システムはガス化しやすい化学物質の分離システムとしても極めて有用であることを実証した.ガス拡散装置のミニチュア化(長さ5cm,径2cm)にも成功した.(2)FIA方式ポータブル測定装置の開発に成功した.開発したミニチュア型拡散透過装置を組み込んだ測定装置を構築した.これは,バッテリー駆動,オンサイトFIA測定,携帯型を基本に設計・製作した.プランジャーポンプ,試料サンプリング,検出器・光源等の改良・開発により,重さ7.5Kg,縦・横・奥行き(16cmx16cmx32cm),12Vバッテリー駆動,省電力光源(LED使用),PCカードメモリー・ノート型パソコンとの接続可能な携帯型オンサイト測定装置の開発に成功した. 2. 二酸化炭素の高感度検出試薬の合成・開発 (1)高感度測定用吸光検出試薬の合成・開発に成功した.LED光源に対応でき,二酸化炭素検出の条件(酸解離,溶解度,化学的安定性など)を満足する試薬を設計し,25種のニトロフェニルアゾフェノール誘導体を新規に合成した.最適の試薬は,4-(2,4-ジニトロフェニルアゾ)-1-ナフトール-5-スルホン酸であることを見いだし,二酸化炭素の高感度定量法開発に成功した.(2)蛍光検出試薬の合成・開発を行い,二酸化炭素測定に利用できる蛍光検出試薬及び反応の開発に成功した. 3. (大気-海水)間の二酸化炭素の溶解速度,溶解平衡の精密解析 (1)精密測定装置を用いて,大気からの二酸化炭素の水への溶解速度,溶解平衡の解析に成功した.(2)高濃度塩溶液中の炭酸の酸解離反応の精密解析をキャピラリー電気泳動法(CE)により行い,信頼できる平衡定数の決定に成功した.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] T.Takayanagi: "Direct photometric determination of tungustate ion in the etching solutions by capillary zone electrophoresis" Analytical Sciences. 14巻. 1181-1183 (1998)
-
[Publications] 本水昌二: "環境分析のためのフローインジェクション法" 環境と測定技術. 25巻. 40-57 (1998)
-
[Publications] 馬蘭: "マイクロフローインジェクション分析法のシステム構築" J.Flow Injection Anal.15巻. 81-88 (1998)
-
[Publications] 樋口慶郎: "精密分析用ガス透過システムの設計とガス透過/フローインジェクション法によるアンモニア態窒素の吸光光度測定量" 分析化学. 48巻. 253-259 (1999)
-
[Publications] 樋口慶郎: "ポータブルフローインジェクション分析計による窒素酸化物のオンサイト分析" 分析化学. 48巻(印刷中). (1999)