1998 Fiscal Year Annual Research Report
液滴界面を利用した微量VOCのパッシブモニタリング装置の試作
Project/Area Number |
10558085
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊永 隆史 徳島大学, 総合科学部, 教授 (30124788)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 廣 島津製作所, 環境計測事業部技術部, 係長(研究職)
池田 早苗 徳島大学, 工学部, 教授 (20035801)
|
Keywords | 液滴法 / 室内環境汚染 / 微量物質 / 有害物質 / 揮発性有機物質 / 風洞装置 / ガスクロマトグラフ質量分析計 / モニタリング |
Research Abstract |
本年度は、従来の基礎検討結果に基づき、液滴界面を利用して微量有害化学物質(VOC、HCHO、NOx、SOxなど)パッシブサンプリングを行うことを目的に、各種標準ガスを用いて現有の風洞実験装置により実験研究を行った。 Dasguptaらは、気相成分を液滴中に効率よく捕集させ発色を行い、液滴を直接光学セルとして行い、液滴の見かけの吸光度変化を基に微量定量を行う方法を開発した。この方法での液滴形成の再現性はよく、高精度測定や、流量制御による高度調節が可能で、試薬消費量が少なく、構造的にも比較的簡略である。我々は、以前より柳沢らのパーソナルサンプラーに注目しており、動力を必要とせず、持ち運び容易な小型軽量の化学測定器としてパッシブサンプラーの開発を試みてきた。しかし、高感度・高精度分析には不向きで、微量有害物質の長期巻にわたる連続モニタリングには適さなかった。 本研究では、液滴成長に伴う界面発達と表面更新を利用して気相NO_2を定量的に捕集する目的で液滴法パッシブサンプリング装置を試作し、NO_2捕集、NO_2高感度定量に適応するため風洞装置を用いて基礎的に検討した。 液滴法パッシブサンプリング装置の開発に当たっては、微量VOC捕集に最適な有機溶媒を選択する事が不可欠で、VOC汚染のない環境条件で実験を行う必要があるため、風洞装置を用いN_2気流下で溶媒選定や液滴形成の実験を行った。 液滴法サンプリング部とガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)を接続して、設備備品として装置化するための設計と試作を行った。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] T.Korenaga,Y.Yang,K.Shibata,J.Motonaka,and S.Ikeda: "Determination of Sulfate in Environmental Water by Spectrophotometric Flow Injection Analysis" Japan J.Toxicology and Environmental Health. 44(1). 49-53 (1998)
-
[Publications] Korenaga,T.,Yamauchi,T.,Hara,C: "Development of a Passive Sampling/Atmospheric Analysis Device Using Droplet Method and Its Microfabrication" Proc.4th Asian Symposium on Academic Activities for Waste Management. 4. 63 (1998)
-
[Publications] 伊永隆史,山内孝郎,原千陽: "液滴界面を利用する二酸化窒素のパッシブサンプリング法" 分析化学. 47(12). 1107-1110 (1998)
-
[Publications] 伊永隆史,梶原俊之,築山容子: "土壌・植物体中の多環芳香族炭化水素の分離定量と動態解析" エコテクノロジー研究. 5(1). 60-61 (1999)
-
[Publications] 伊永隆史,高林義昌: "重金属塩による円石藻の増殖" エコテクノロジー研究. 5(1). 60-61 (1999)
-
[Publications] Korenaga,T.: "Passive Sampler as a Simple Indoor/Outdoor/Personal Air Pollution Monitoring Device" Proc.4th Asian Symposium on Academic Activities for Waste Management. 4. 18 (1998)
-
[Publications] 檜山為次郎、澤田嗣郎、伊永隆史: "日本化学会季刊化学総説No36,光化学の基礎と先端研究" 学会出版センター, 275 (1998)
-
[Publications] 檜山為次郎、澤田嗣郎、伊永隆史: "日本化学会季刊化学総説No38,マイクロクラスター化学の新展開" 学会出版センター, 128 (1998)