1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10558088
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高田 純 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (00274134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 祐二 浜松ホトニクス, インキュベータ部, 部員
遠藤 暁 広島大学, 工学部, 助教授 (90243609)
星 正治 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (50099090)
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Keywords | 内部被曝線量 / 体内放射能測定 / ポータブルスペクトロメータ / その場評価 / ホールボディカウンティング |
Research Abstract |
本研究では、ポータブルスペクトロメータを用いて体内放射能Cs-137および内部被曝線量を迅速にその場評価する方法を開発することを目的とする。このポータブルホールボディ一カウンターの開発により、世界のいかなる地域の緊急時対応や、装置の無い地域でも人体放射能汚染の迅速な調査が可能になる。この試みはこれまでになされていない方法である。また土壌、食品そして人体放射能汚染の食物連鎖の調査をこのひとつの検出器で行える特徴がある。 本年度は、昨年度作製した検出器を放射線医学総合研究所の人体ファントムを利用して、校正した。国内機関での相互比較の結果、バイアスは10%以内と良好であった。本測定機のテストを、海外2箇所の放射線被曝地で行った。本機とノートパソコン一式は、小型機内持ちこみサイズのスーツケースに充分収まる程に、コンパクトである。7月に、1954年のビキニ水爆により汚染したロンゲラップ島で線量調査をおこなった。地表および島内の工事で働く作業員6名の体内放射能Cs-137を測定した。9月には、1986年のチェルノブイリ原発事故で汚染した、ベラルーシ・ホイニキライオンにて同様の測定を行った。 汚染地で人体測定する場合のバックグランドの測定法として、体内汚染していない人物を用いた人体測定スペクトルの利用を検討した。これにより、非汚染人体測定スペクトルのほぼ2分の1をバックグラウンドとして採用すればよいことが判った。また、同一装置で、環境測定が行えたので、環境から人体への放射性セシウムの移行係数が、その場で評価できることが実証できた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Endo, S.: "DS86 neutrone dose: Monte Carlo analysis for depth profile of ^<152> activity in a large stone sample."J. Radiat. Res.. 40・2. 169-181 (1999)
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[Publications] 山本政儀: "旧ソ連セミパラチンスク核実験及びその周辺地域におけるPu同位体と^<137>Cの分布"クロスオーバー研究シンポジウム「放射性物質の環境移行研究の新たな展開」報告集1998. 99-001. 59-80 (1999)
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[Publications] 星正治: "軟X線の線量測定"医用標準線量. 4・1. 17-22 (1999)
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[Publications] 遠藤暁: "C-CO_2電離箱(IC17G)の中性子感度の測定"医用標準線量. 4・1. 29-33 (1999)
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[Publications] Yamamoto, M.: "Pu isotopes and ^<137>Cs in the surrounding areas of the former Soviet Union's Semipalatinsk nuclear test site."J. Radioanal. Nuci. Chem.. 242・1. 63-74 (1999)
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[Publications] 高田純: "ロシア高放射能汚染地区へのフィールドミッション"電気学会誌. 119・6. 367-370 (1999)
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[Publications] Takada, J..: "Radiological states around the kraton-4 underground nuclear explosion site in Sakha"J. Radiat. Res.. 40・3. 223-228 (1999)
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[Publications] Takada, J.: "External Doses of Residents near Semipalatinsk Nuclear Test Site"J. Radiat. Res.. 40・4. 337-344 (1999)
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[Publications] 高田純: "サハ共和国における地下核爆発:クラトン4周辺とテヤ村の調査"広島医学. 50・3. 281-283 (2000)