2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10558093
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
笹岡 英司 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (50033246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 繁 三菱重工業株式会社, 技術本部・広島研究所, 主任
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Keywords | アンモニア脱硝 / 低温脱硝 / NOx・SOx / TiO_2 / A_<12>O_3 / 金属硫酸塩 / 金属塩化物 / 再生 |
Research Abstract |
初年度チタニア、ジルコニア、アルミナが90℃の低温で、NOをアンモニアで窒素に還元できることを見出した。昨年度は、脱硝反応のメカニズムに重点をおいて検討し、亜硝酸アンモニウム類似の中間体を経て反応が進行している可能性を明らかにした。さらに、高活性化触媒としては、アンモニアを吸着できる固体酸点とNOを酸化活性点をもち、アンモニウム塩の堆積に耐える細孔構造を持つ触媒が有望であることが示唆された。 研究計画の最後の年にあたる本年度は、実用可能な触媒の開発を目指して、触媒の表面状態改質のため、助触媒添加の効果と再生利用の可能性について検討した。触媒としては実用化を考慮して市販のアルミナを使用した。添加物としては固体酸点としての役割を期待できる、金属硫酸塩と金属塩化物計20種を添加し、その効果を検討した。その結果、金属塩化物が、金属硫酸塩やアンモニウム塩に比較して大きな添加効果が認められ、特に塩化ニッケルと塩化アンチモン添加触媒が高い活性を示しすことが明らかとなった。しかし、塩化アンチモンの場合、担持後の焼成で、担持量が微量になっているにもかかわらず高活性を示した。そこで、金属の効果よりも、塩素イオンの作用の方が大きいと予想され、アルミナへの塩酸の添加での活性が大幅に向上することを確認した。さらに、塩化ニッケル担持アルミナ触媒と塩化アンチモン担持触媒について再生性の検討を行った。長時間(20時間以上)使用し、アンモニウム塩付着により劣化した触媒の再生を試みた。再生法てとしては、加熱法と、水或いは酸性水溶液・アルカリ水溶液を用いる洗浄法を検討した。しかし、加熱法では蓄積した硫酸塩とアルミナが反応し、また、洗浄法では、金属或いは金属とアルミナの溶出が認められ、活性の完全な回復は不能であった。そこで、塩酸処理アルミナについて、水洗、再塩酸処理による再生使用を試みたところ、良好な再生に対する耐性が認められ、繰り返し再生使用の可能性が得られた。本年度で科研費による本研究費の助成は終了するが、塩酸処理アルミナについては期待のもてる結果が得られたことから、今後も研究を進めたいと考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 野島繁,笹岡英司 他: "アルミナ担持硫酸ニッケル触媒による低温脱硝反応"日本化学会誌. 2000. 621-627 (2000)
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[Publications] 能登谷扶由,笹岡英司,野島繁: "石炭焚きボイラー用アンモニア脱硝触媒の開発"第7解石炭科学会議発表論文集. 421-424 (2000)
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[Publications] E.Sasaoka, et al.: "Role of H2O in Oxidative Regeneration of ZnS Formed from High-Temperature Desulfurization ZnO Sorbent"Ind.Eng.Chem.Research. 39,10. 3844-3848 (2000)
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[Publications] M.Hatori,E.Sasaoka et al.: "Role of TiO2 on Oxidative Regeneration of Spent High-Temperature Desulfurization Sorbent ZnO-TiO2."Ind.Eng.Chem.Research. 40(In press). (2001)