1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10558096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平間 正博 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 佳久 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00282062)
水柿 道直 東北大学, 医学部・附属病院, 教授 (60004595)
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Keywords | シガテラ / シガトキシン / 抗シガトキシン抗体 / ハプテン / 人工抗原 / 海産ポリエーテル / コンジュゲート / 免疫 |
Research Abstract |
食中毒シガテラの対応策として、原因毒である海産ポリエーテル化合物の高感度な検定法の開発が期待されている.本年度は、主要原因毒であるシガトキシン1Bを認識する抗体の調製を検討した。シガトキシン1B(2S.5R)のABC環部にリンカーを導入したハプテンを設計した。B環部としてD-グルコースを利用し、A環、C環、側鎖の順に、合成を進めた。繊細で高度に官能化されたA環部及び側鎖の構築が問題となった。多段階(>40工程)を要したが、2位のエピマー混合物であるハプテンを合成できた。これをキャリアータンパクBSA及びKLHとそれぞれ結合し、コンジュゲートを作成した.ハプテンとOHとのコンジュゲートを人工抗原として、マウスを免疫し、3種のモノクローナル抗体(4H2,6Fl2,6H7)の調製に成功した。まず、ELISA法による競争阻害実験から、2位エピマー混合物であるハプテンに対して、交差活性を比較した。6H7と6F12の場合、十分な交差活性を確認できたが、4H2は弱かった。別途合成したリンカーのないABC環部のエピマー、(2S)及び(2R)を用い、それぞれ同様に交差活性を調べた。6H7は2R配置のABC環部を、4H2と6F12は2S配置を認識し、2位の立体化学を識別していることが分かった。更に、シガトキシンlBの絶対配置(2S)を考慮して、6F12によるシガトキシン1Bの認識を検討した。同様の阻害実験から、弱いながらも交差活性を確認できた。現在、3種の抗体の機能改変と再免疫を検討すべく、より短段階でのハプテンの合成を迅速に進めている。
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[Publications] Hiroki Oguri et al.: "Designed Hapten Aimed at Anti-ciguatoxin Antibody:Synthesis,Immunization and Discrimination of the C2 Configuration" SYNTHESIS. (発表予定). (1999)
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[Publications] Tohru Oishi et al.: "Convergent synthesis of the trans-fused 6-n-6-6(n=7-10)tetracyclic ether system based on a ring-closing metathesis reaction" Chem.Commun.1041-1042 (1998)