1998 Fiscal Year Annual Research Report
トランスゲニックマウスおよびラットを用いたin vitro生体組織再構築系の開発
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10558111
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
帯刀 益夫 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10099971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 正次 ワイエスニューテクノロジー研究所, 所長
遠藤 仁 杏林大学, 医学部, 教授 (20101115)
寺崎 哲也 東北大学, 薬学部, 教授 (60155463)
矢内 信昭 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (80200525)
松居 靖久 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 部長 (40241575)
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Keywords | トランスゲニックマウス / トランスゲニックラット / T-抗原 / 生体組織再構築 / 細胞分化 / 造血幹細胞 |
Research Abstract |
生体組織の機能を保持した細胞株を樹立し、これらを用いて、in vitroの培養系で、組織構築を行い、その機能の再構成を行ない、組織形成で働く制御機構を明らかにすることを目的として、T-トランスジェニックマウスの各組織から細胞を初代培養し、不死化する細胞株を得た。これまでに、肝臓実質細胞、腎臓尿細管細胞、大動脈血管内皮細胞および平滑筋細胞、脳関門内皮細胞、胃粘膜上皮細胞、肺気道上皮細胞、網膜色素上皮細胞などの不死化ができ、それぞれ分化形質が確認された。また、骨髄間質細胞株は、平滑筋、骨格筋、骨芽細胞、脂肪細胞、内皮細胞等に分化誘導できる間葉系幹細胞であることが判った。さらに、条件的にT-antigen依存に増殖する細胞株を不死化機構の研究に利用できることを示した。 多能性造血幹細胞の多方向への分化と自己複製の制御系をin vitroの培養系で再構成し、造血幹細胞の分化決定の分子機構を明らかにする事を目的として、温度感受性SV40 T-antigen(T-)トランスジェニックマウスの骨髄から多数の骨髄間質細胞株を樹立し、前駆細胞などとの共培養系を構築し、これら間質細胞株が骨髄球系前駆細胞の成熟分化を選択的に促進することを示し、間質細胞依存に増殖する3種類の造血幹細胞様細胞株(リンパ球系幹細胞株、分化マーカー陰性、c-Kit,Scal陽性の造血幹細胞様の細胞株、骨髄球・リンパ球に分化可能な新たな幹細胞様細胞株)の樹立に成功した。 最近、同様のトランスジェニックラットの作出に成功し、細胞株樹立も可能であることが判った。今後、多くの生体組織の機能細胞株を樹立し、複数の機能細胞株の共培養系を作り、生体組織の再構成を図り、組織形成を制御する因子の探索を可能にする。また、骨髄間質細胞株等を用いて、細胞移植による筋組織、骨組織などの再生治療の可能性を探る。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koguma,M.,Matsuda,K-I.,Okuyama,R.,Yanai,N.and Obinata,M.: "Selective Proliferation of Lymphoid Cells from Lineage c-Klt Scal Cells by a Clonal Bone Marrow Stromal Cell Line." Exp,Hematol.26. 280-287 (1998)
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[Publications] Furusawa,T.,Yanai,N.,Hara,T.,Miyajima,A.,and Obinata,M.: "Integrin-associated protein (LAP,also termed CD47) is involved in stroma-supported erythropoiesis." J.Biochem.123. 101-106 (1998)
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[Publications] Sato,Y.,Yanai,N.,and Obinata,M.: "Involvement of stromal membrane-associated protein (SMAP-1) in erythropoietic microenvironment." J.Biochem.124. 209-216 (1998)
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[Publications] Sugayama,N.,Tabuchi,Y.,Numata,F.,Horiuchi T., Ishibashi,K,Ono,S.,Obinata,M.,and Furusawa,M.: "Establishment and characterization of tracheal epithelial cell lines,TM01 and TM02-3,from transgenic mice bearing temperature-sensitive SV 40 large T-antigen gene." Cell Structure & Function.23. 119-127 (1998)
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[Publications] Zhao,J-H.,Inoue,T.,Shoji,W.,Nemoto,Y.,and Obinata,M.: "Direct association of c-Myc and YY-1 in regulation of glycophorin gene expression." Oncogene.17. 1009-1017 (1998)
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[Publications] Muto,A.,Hoshino,H.,Madisen,L.,Yanai,N.,Obinata,M.,Karasuyama,H.,Hayashi,N.,Nakauchi,H.,Yamamoto,M.,Groudine,M.,and Igarashi,K.: "Identification of Bach2 as a B cell-specific partner for smal Mat proteins that negtively regulates the immunoglobulin heavy chain gene 3'enhancer." EMBO J.17. 5734-5743 (1998)