1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しい概念による中枢疾患治療法の基盤開発-アルブミン由来ミクログリア活性化因子の構造決定-
Project/Area Number |
10558114
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中村 洋一 愛媛大学, 医学部, 助手 (90180413)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 喜由 愛媛大学, 医学部, 教授 (20025589)
|
Keywords | ミクログリア / 活性酸素 / 血清アルブミン / ケモカイン / 生理活性ペプチド |
Research Abstract |
ラット新生仔脳細胞を2〜4週間培養し,形成された単層細胞の上に現れる小型の球形細胞を振盪により集め二次培養し,これらの細胞の活性酸素産生能の増強を評価した。ウシ血清アルブミンにミクログリアのO_2^-産生活性の増強作用があることがわかっているので,最高純度の市販ウシ血清アルブミンのトリプシンによる分解産物で,できるだけ小さなフラグメントで活性のあるものを検索した。分子量約7500のペプチドに活性があることがわかり,そのペプチドをアマシャムファルマシアバイオテク製クロマトシステムAKTA purifierを用いて,分離条件の検討を繰り返し,ゲル濾過(SuperdexPeptide),陰イオン交換(ResourceQ),逆相クロマトグラフィー(μRPC C2/C18)を順に繰り返すことにより,1ピークまで精製に成功した。N末端アミノ酸配列分析によりウシ血清アルプミンの^<65>Serに始まり^<75>Cysまでのペプチドと^<82>Gluから始まるペプチドが途中^<75>Cys^<91>CysでSS結合していることが予想される。C末端分析によりC末はPhe-TyrあるいはLys-Tyrであることがわかったので,可能性のあるTyrは137,149,160のどれかである。この特定ためにアミノ酸組成分析を行ったところ^<137>Tyrである可能性が一番高い結果となった。さらにTOF-Massにより精密分子量を測定することにより構造の最終決定をする予定である。後者のペプチドは分子内の他の部分にさらに3個のCysが含まれており,現在その生理活性が注目されているケモカインの内CCケモカインとよばれる分子構造に基本的に一致していることになる。このペプチドにケモカイン活性があるのかどうかも非常に興味深い課題である。
|
Research Products
(1 results)