1999 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学的手法による機能的神経回路網可視化技術の開発とその応用
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10558117
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
吉原 良浩 理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム・チームリーダ^ー(研究職) (20220717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 憲作 東京大学, 大学院・医学系研究化, 教授 (60008563)
川崎 美和 理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, テクニカルスタッフ(研究職)
藤田 博子 理化学研究所, 機能分子研究チーム, テクニカルスタッフ(研究職)
寺社下 浩一 中外製薬株式会社, 創薬資源研究所, 研究員
野田 哲生 東北大学, 医学部, 教授 (10183550)
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Keywords | 小麦胚芽レクチン / WGA / 経シナプス性トレーサー / 神経回路網 / トランスジェニックマウス / 視覚回路 / 嗅覚系神経回路 / アデノウイルス |
Research Abstract |
脳の構造・機能を知るためには、複雑であるが秩序だった神経回路網に関する詳細な知識が不可欠である。すなわち機能的に関連したニューロンどうしがどのような配線様式でつながっているか、を体系的に明らかにする必要がある。そのために私たちは小麦胚芽レクチン(WGA)遺伝子をトランスジーンとして特定のニューロンに発現させ、そこを起点とする神経回路を可視化する技術を考案した。平成10年度にWGAトランスジーンのシステム確立のために小脳遠心性経路およぴ嗅覚経路を可視化したトランスジュニックマウスを作製し、1次ニューロンにおけるWGAの産生と軸索末端までの輸送、2次ニューロンへの経シナプス性の取り込みとその投射領域のラベリング、さらには3次ニユーロンヘの取り込みを観察した。平成11年度においてはさらに視覚経路を可視化したトランスジェニックマウスの作製に成功した。また、WGAを発現する組み換えアデノウイルスを作製し、その有効性を確認した。 a.視覚経路可視化マウス 網膜において桿体双極細胞に特異的に発現するL7プロモーターの支配下にWGAを発現するトランスジェニックマウスを作製した。このL7-WGAマウスにおいては、網膜双極細胞にWGAが特異的に発現し、AIIアマクリン細胞、錐体双極細胞を経由して神経節細胞へ、さらには視神経から視床外側膝状体および中脳上丘ニューロンまでWGAが輸送されており、視覚情報の伝達経路を可視化することに成功した。 b.WGA発現組み換えアデノウイルス 普遍的かつ強力なCAGプロモーターの支配下にWGAを発現するアデノウイルスを作製した。このウイルスをマウス鼻腔内に感染させたところ、嗅上皮の嗅細胞にWGAの発現が観察され、その標的細胞である嗅球の僧帽細胞/房飾細胞へとシナプスを介して輸送され、さらにその投射部位である嗅皮質が選択的にラベルされた。本ウイルスにより、トランスジェニック技術の確立していない動物種においてもWGAトランスジーンを応用できると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoshihara Y.et al.: "A genetic approach to visualization of multi-synaptic neural pathways using plant lectin transgene"Neuron. 22. 33-41 (1999)
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[Publications] Tabuchi K.et al.: "GAL4/USA-WGA system as a powerful tool for tracing Drosophila transsynaptic neural pathways"Journal of Neuroscience Research. 59. 94-99 (2000)
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[Publications] 吉原良浩: "WGA Transgene-発生工学的手法を用いた選択的神経回路可視化技術-"細胞工学. 18. 529-531 (1999)
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[Publications] 吉原良浩: "WGAトランスジーンによる神経解剖学と発生工学のドッキング"実験医学. 17. 869-873 (1999)
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[Publications] 吉原良浩: "WGAトランスジーンによる選択的シナプス経路の可視化"実験医学(増刊). 17. 2132-2137 (1999)