1999 Fiscal Year Annual Research Report
光反応を駆動力とする新しい経皮的循環器系デバイス及びシステムの総合的開発
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10558143
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
中山 泰秀 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (50250262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 正吾 北野病院, 脳外科, 医師
松田 武久 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60142189)
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Keywords | 光反応 / 経皮デバイス / 医用接着剤 / 塞栓材料 / 細胞 / 組織工学 |
Research Abstract |
(1)光硬化性軟組織接着(止血)剤の開発およびその内視鏡下手術への応用: 光硬化性接着剤の要素材料としてゼラチン側鎖にスチレン基を導入したゼラチンマクロマーの合成を行った。また、光硬化の際の重合開始剤として、水溶性カンファキノンを新たに開発した。これらの要素材料を組み合わせることにより短時間で硬化する組織接着剤のプロトタイプが開発できた。 (2)血管内ラッピング剤および操作デバイスの開発: 上記で開発した組織接着剤を用いて血管内においての硬化性を調べ、組織接着性を有することが分かった。薬物の担持性、放出性がゲルの組成により調節できることが分かった。また、血管内への導入デバイスのプロトタイプを作製した。 (3)塞栓治療用マイクロビーズの開発: 組織接着剤を流動パラフィン中で撹拌しながら光照射を行うと微粒子状のマイクロビーズが得られた。動物実験によりマイクロカテーテルにて患部に送達でき、奇形血管の塞栓治療剤としての有用性が示された。 (4)治療デバイス表面の精密光修飾技術の開発: デバイス表面への生体適合化設計として、光化学を用いた新しい表面グラフト重合法を開発し、表面精密設計技術を確立した。今後、動物実験にて組織学的評価を行う予定である。 (5)細胞内への薬物移行の光制御技術の開発: 光照射によりカチオンを生成する光反応性水溶性高分子を分子設計した。これに光を照射すると分子内にカチオンを生成し、細胞膜との相互作用が極めて増大することが示された。細胞内への薬物や遺伝子の選択的な移行性が得られると期待される材料が開発できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y. Nakayama: "Surface Hydrogelation Using Photolysis of Dithiocarbamate or Xanthate : Hydrogelation, Surface Fixation, and Bioactive Substance Immobilization"Laugmuir. 15・5. 1667-1672 (1999)
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[Publications] Y. Nakayama: "Surface Macromolecular Microarchitecture Design : Biocompatible Surfaces vla Photo-Black-Graft-Copolymerization Using N.N-Diethyldithiocarbamate"Langmuir. 15・17. 5560-5566 (1999)
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[Publications] Y. Nakayama: "lu situ Observation of Dithiocarbamate-Based Surface Photograft Copolymerization Using Quartz Crystal Microbalance"Macromolecules. 32・16. 5405-5410 (1999)
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[Publications] Y. Nakayama: "Photocurable Surgical Tissue Adhesive Glue Composed of Photoreactive Gelatin and Poly(ethylene glycol) Diacrylate"J. Biomed. Mater. Res. (Appl. Biomater). 48. 511-521 (1999)
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[Publications] Y. Nakayama: "Preparation of Pdy (ethylene glycol) polystyrene block copolymers cosing photochemistry of dithiocarbamate as a reduced cell-adhesive coating material"Biomaterials. 20. 963-970 (1999)
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[Publications] 中山泰秀: "レーザー光微細加工技術と医療デバイス"日本レーザー医学会誌. 20・4. 333-344 (1999)