1999 Fiscal Year Annual Research Report
生体センサーのカリウムチャネルサブユニットに関する分子率理学的・応用的研究
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10559002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柳澤 輝行 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90133941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 学 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80302090)
助川 淳 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30187687)
布木 和夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10172743)
末永 智一 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70173797)
小林 長一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60124575)
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Keywords | 不活性化機構 / K^+チャネル / Ca^<2+>チャネル / サブユニット / 遺伝子改変動物 / チャネル遮断機序 / 食塩感受性高血圧 |
Research Abstract |
電位依存性K^+チャネルの不活性化機構の分子機構を分子薬理学的に解析する研究を継続している。サブユニット相互作用を検討するため、遺伝子ターゲッティング法を用いて、α1,β,α2-δ,γサブユニットよりなるヘテロマルチマーである電位依存性Ca^<2+>チャネルのβ3サブユニット欠損マウスモデル(β3^<-/->)を作製し、β3ひいてはCa^<2+>チャネル機能を解析した。 In situ hybridizationによりβ3^<-/->においてβ3の欠損、心筋および大動脈平滑筋におけるβ2の強い発現を確認した。単離血管平滑筋細胞のパッチクランプ法によりβ3^<-/->においてもCa^<2+>チャネルを流れるBa^<2+>電流はDHP感受性を示し、Ba^<2+>電流の不活性化はむしろ遅延したが、単位膜面積当たりのピークBa^<2+>電流量が約30%減少した。大動脈リング標本のKCl張力はβ3^<-/->においてもニカルジピン・ベラパミルにより収縮が抑制された。Β3^<-/->は正常食ではwild群と比して血圧・心拍数ともに有為差はないが、高塩分食(8%)によりwild群に比し収縮期、拡張期ともに有意に高い血圧を示した。この高塩分食負荷を長期に続けることにより、大動脈の中膜筋層の肥厚、心臓の重量増加などが見られ、β3^<-/->が食塩感受性の高血圧のマウスモデルとなることを確認した。Β3^<-/->の組織や生体では何らかの代償機構が働いて、血管のトーヌスや血圧を正常レベルに維持していて、食塩感受性の血圧上昇は血管平滑筋のCa^<2+>チャネル以外の要因により生じていると考えられた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Sugai K.,Yanagisawa Y. et al.: "Levcromakalim decreases cytoplasmic Ca^<2+> and vascular tone in canine basilar artery of SAH model"J. Candiorasc. Pharmacol. 33. 868-875 (1999)
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[Publications] Yasukawa T.Uchida I.,Matue T.: "Microamperometric measurements of photosynthetic activity in a single algal protoplast"Biophysical J.. 76(2). 1129-1135 (1999)
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[Publications] Hashimoto Y.,Nunoki K. et al.: "Changes in the inactivation of rat Kv1.4 K^+ channels induced by varying the number of inactivation particles"J. Biol. Chem.. 275. in press (2000)
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[Publications] Murakami M. et al.: "Conserved smooth muscle contractility and blood pressure increase in responsts high salt diet, in mice lacking β3 subsist of the Ca^<2+> channels"J. Candiovase. Pharmacol.. in press
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[Publications] Watanabe T.,Sukegawa J. et al.: "A 127-kDa Protein (UV-DDB) binds to the Cytoplasmic Domain of the Alzheimer's Amyloid Precursor Protein"J. Neurochem.. 72. 549-556 (1999)
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[Publications] Haraguchi T. et al.: "Live fluorescence imaging reveals early recruitment of emerin, LBR, RanBP2, and Nup153 to reforming functional nuclear envelopes"J. Cell. Sci.. 113. 779-794 (2000)
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[Publications] 柳澤 輝行: "新率理学入門(改訂3刷)"南山蛍. 372 (2000)
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[Publications] 柳澤 輝行: "KEY WORD 1999-2000 高血圧"先端医学者. 2 (1999)