Research Abstract |
1. 形態バタンデータベースを作成するにあたって,形態知覚や物体認知,また,形態パタンを用いた知覚,認知記憶等の先行研究を調査し,どのような形態パタンに関してデータベースを作成するかを検討した.その結果,データベース構築の第1段階として,閉じた無意味な2次元図形を用いることにした.材料作成の為に,無意味図形を作成し,コンピュータに入力するシステムをタブレットとグラフィックスソフトを使って構築した.これによりナイーブな被験者が多くの無意味図形を作成することが出来る. 2. データベース構築作業の計画を立てた.次の4つの作業を行う.(1)無意味図形の作成.研究目的を知る研究者,及び,ナイーブな被験者両方に作成してもらう.(2)データベースに採用する図形の選定と心理量の調査.心理量としては,類似性,複雑性,無意味性,既知の事物の連想度等を調査する.類似性は,少数の被験者による1対比較の類似性判断,多数の被験者によるクラスタリング両方を指標として用いる.(3)無意味図形作成メカニズムの検討.ナイーブな被験者の作成した図形を用いて,無意味図形作成のメカニズムを研究する.互いに無関連で無意味な図形の集合を作成する課題で,どの程度無関連性,無意味性が達成されるのかを評価し,同時に,図形の作成メカニズムにある法則性を探る.(4)心理量を含んだ図形のデータベースを用いて,様々な心理実験研究を行う.異なる領域の研究を,同一の刺激セットを用いて行うことにより,課題間の関連性を探る.実験研究としては,(a)無意味な2次元図形のカテゴリ学習の研究.特に,現存のカテゴリ学習モデルの妥当性を検討する,(b)視覚的,触覚的形態知覚における心理学的空間の比較検討,(c)新規図形のネガティブプライミングにおける類似性の効果,(d)非均質な項目を用いた視覚探索における項目間類似性構造の効果,を現在企画している.
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