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1999 Fiscal Year Annual Research Report

アリストテレスの科学的かつ弁証術的形而上学

Research Project

Project/Area Number 10610001
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

千葉 恵  北海道大学, 文学部, 助教授 (30227326)

Keywords探求論 / 定義 / 論証 / ロギコース(形式言論上) / ピュシコース(自然学上) / 「何であるか」 / 「何故にか」 / 本質の推論
Research Abstract

アリストテレスにおける形而上学構築のプロセスをめぐる本年度の研究は、主に、昨年度展開できた弁証術の側からのアプローチと自然学の側からのアプローチを統合する機能を持つ論証理論と定義論の相互の関係の解明に向けられた。論証理論は科学的知識をもたらす推論の成立条件の解明をこととするが、知識を求める探究論にその規範として適用される。伝統的に知識を求める二つのプロセスが彼に継承されていた。ひとつはイオニアの自然学者たちの問いである「何故に〜であるのか?」という問いの形式で、理由や根拠を問う探究方法であり、他はソクラテスの「何であるか?」を問いの形式で、探究対象それ自体の解明がめざされた。そして、前者は自然学的探究において、ピュシコースに(自然学的に)根拠を開示する企てにおいて、後者は倫理学的探究においてロギコース(形式言論上)定義形成をめざす企てのなかで主に用いられる探究様式であった。アリストテレスは知識を求めるこれら二つの流れを統一することを、彼の『分析論後書』における探究論の課題にした。その企ての最大の課題ないしアポリアは論証を介していかに定義に到達しうるかであり、分割法や本質の推論等の同僚たちの企てが持つアポリアを提示し、それを乗り越える方法を模索することであった。第35回ギリシア哲学研究会における「論証と定義」の発表や、オックスフォード大や東北大等におけるさらには北大に招いたK.Vassilis教授(アテネ工科大学)やW.Ertl助教授(エルランゲン大学)等との論議を通じて、弁証術的アプローチと自然学的アプローチの統合のアリストテレスの試みを、より彼の思索を間近に見るように、自分のものとすることができたと考えている。

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Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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