1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610013
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
砂山 稔 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (00091702)
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Keywords | 道教思想 / 玉皇大帝 / 三元日 / 虚明 / 上清太平宮 / 三清 / 老たん / 老子解 |
Research Abstract |
報告者はこの十年来、北宋の六大家、即ち欧陽脩・曾鞏・蘇洵・蘇軾・蘇轍・王安石と道教の関係、及び蘇軾・蘇轍の子孫を含む蘇氏一族と道教との関係について考察を進めてきた。研究費を得た平成10・11年度の研究の中心は、蘇軾.・蘇轍と道教との関係の検討であった。蘇軾と道教に関しては平成10年に『蘇軾詩集』『蘇軾文集』等の記載をもとに雑誌『しにか』に「蘇東坡と道教」なる一文を発表した。そこでは副題を「三元・玉皇・虚明・内丹・天心」として、道教の重要な祭日である三元日と「赤壁の賦」との関わりなど5点について考察を加えた。平成11年には、自らの編著である『講座道教』第1巻に「玉皇大帝と宋代道教-蘇軾を中心にして-」と題して、蘇軾の道教思想全体をより詳細に論じた。そこでは、1.黄帝・老子の道と三元日、2.上清太平宮と『荘子』・『黄庭内景経』、3.真宗時代の玉皇信仰と天慶観、4.玉皇大帝と蘇軾の4節に分かって考察を展開し、タオイスト蘇軾は、太宗・真宗の崇道政策の申し子と云えるのではないかという見解を提示した。また、同じく平成11年には、蘇轍と道教に関して、雑誌『新しい漢字漢文教育』に「蘇轍と道教」なる論文を発表し、1.赤松子と「服茯苓賦」、2.上清太平宮・蹇拱辰・『霊宝度人経』、3.『欒城遺言』・老たん・『老子解』・三清の3節において検討を加え、蘇轍の道教思想と全真教の思想とは存外近いところにあるのではないかと論じた。現在は北宋の代表的な『道蔵』である『大宋天宮宝蔵』とそのダイジェストである張君房の『雲笈七籖』の研究に軸足を移行させ、明代の『道蔵』編纂史を視野に入れつつあり、研究成果報告書もこの『雲笈七籖』についての研究が中心になる。
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[Publications] 砂山 稔: "玉皇大帝宋代道教-軾を中心にして-"講座道教. 第1巻. 55-74 (1999)
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[Publications] 砂山 稔: "蘇轍と道教"新しい漢字漢文教育. 29. 19-30 (1999)
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[Publications] 砂山 稔: "隋届思想史概説"中国思想の流れ. 中. 3-7 (2000)
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[Publications] 砂山 稔他編: "講座道教 第1巻"雄山閣出版. 279 (1999)