1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610032
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
渋谷 治美 埼玉大学, 教育学部, 教授 (50126083)
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Keywords | カント / ショーペンハウアー / ニーチェ / ハイデガー / ニヒリズム / 価値 |
Research Abstract |
○まず、年来の研究対象であるI.カント(1724-1804)を近代ニヒリズムの先駆者として捉え直す試みをした。即ち、カントの批判哲学、人間中心主義、自由の主体としての人間の讃美が、実は価値ニヒリズムを回避しようとする動機に発したものであること、その回避の前提としてスピノザムの自由ニヒリズムを主要敵としていたこと、しかしこれら二つの努力の到達点が根底敵に脱したのでしかなかったことにカント自身が気づいていたと思われることを明らかにした。これをa)H.10.11月い山口大学で開催された日本カント協会の大会で個人発表し、好評を得た。b)次にこれを独訳し、「カントとニヒリズムの問題」と改題した上で、2000年3月にベルソン大学で開催される第九回国際カント学会にエントリーした。c)〓に掲載予定。 ○ショーペンハウアー、ニーチェ、ハイデガーのニヒリズムの流れを見取図として把握するために三十枚の原稿にまとめ、ある共著書へ寄稿した。H.11の秋に出版される予定。
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[Publications] 渋谷治美: "カントとニヒリズムの問題" 理想. 663. (1999)
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[Publications] 渋谷治美: "死生観の比較思想研究(仮)(関根清三編)" 東京大学出版会(予定), 300頁 (1999)