1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610034
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
清水 正之 東京理科大学, 工学部, 教授 (60162715)
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Keywords | 近世神話 / 国学 / 神話解釈 / 日本神話 / 倫理思想史 / 平田篤胤 |
Research Abstract |
前年度の成果をふまえ、当年度はとくに、伴信友、大国隆正ら周辺部分の比較的断片的ではあるが国学の実践性と結びついた神話解釈、神話論を倫理思想史的な視点から検討した。神観念、字宙論、物質論、人間の起源、権力論などこれまでの論点と、比較し連関させて整理した。 また昨年検討した、朝鮮・南島神話との連関を意識していた平田篤胤らと比べて、そうした比較的な視点が減じている理由なども考察した。これらは次年度に発表を予定している。 さらに、当初の計画の中に、明治以降の神話論と、近世後期神話論との接点を探るという課題をたてておいた。それは神話考察の方法論だけでなく、神話解釈の実質にも関わるものだが、その点、論点の整理のために和辻および近代日本の思想史研究の神話観をまとめたものをさらに深化させた。神話の解釈はまた世界把握の形の一つである。近世後期のそれは西洋思想の受容とも関わりを持つ。西洋科学思想の受容と近世神話の接点をめぐっての小論を発表した。 海外の日本研究の参照として『Die Philisophie Japans』(Porner/Heise)の、神話的起源を、日本の哲学の「場の論理」の発生的な原点とみる研究を参照分析した。
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