2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石光 泰夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60093366)
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Keywords | 身体論 / 精神分析学 / フロイト / 舞踊 / コンテンポラリー・ダンス |
Research Abstract |
今年度は、本研究プロジェクトの最終年度でもあるので、舞踊を分節するための理論言語としての身体論を最終的に整備し、広く世に問う準備をもっぱら行った。そのために必要なジャンルを舞踊のほかに、音楽(とくにヴァーグナーの総合芸術)、文学(ドイツ・ロマン派)、絵画(同)、建築(19世紀全般).そしてそれらを貫く理論的支柱としての精神分析学に限定して、それらのあいだでの例示と論証の相互関係が齟齬なく成立するように身体理論の全般を構築した。 また、本研究プロジェクトの趣旨を呈して、そうした身体理論に基づく舞踊批評(とくにコンテンポラリー・ダンス)、あるいは舞踊創造の現場へのコミットメントもいっそう活発にして、それらを活字の形で残すよう努めた。 理論と理論の応用面でのこうした成果は、4年間にわたる身体理論とその舞踊への応用の努力の全般的・包括的な展望をも含む形で、別途、提出される報告書に盛り込まれている。そこでは、身体論がもつ、舞踊に限らずすべての芸術ジャンルにまで及ぶ深い射程がくまなく照射されているはずである。 そのほかに、この研究プロジェクトからフロイトの精神分析学を総合的に(ということはつまり身体論に力点を置きつつということだが)捉えなおし、そこからフロイト著作集新訳のための研究会を立ち上げることができたのも、本年度の大きな成果であった。
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Research Products
(1 results)