2000 Fiscal Year Annual Research Report
移動式並列型動物実験システムの開発とそれを用いた行動的及び数理的比較認知研究
Project/Area Number |
10610067
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
実森 正子 千葉大学, 文学部, 教授 (80127662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 昇 千葉大学, 文学部, 助教授 (40154611)
宮埜 寿夫 千葉大学, 文学部, 教授 (90200196)
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Keywords | 実験装置開発 / 比較認知科学 / 概念形成 / 異同判断 / 選択行動 |
Research Abstract |
移動式並列型動物実験システムを開発し(実森・牧野,1999)、前年度は1)ヒトの合成顔画像のカテゴリー弁別におけるプロトタイプ効果(牧野・実森,2000)、2)刺激等価性(投稿準備中)、3)推移的推論の研究を行った。本年度は前年度の研究成果に基づいて、刺激等価性をめぐる2つの実験(実験1、実験2)をハトで行った。また事物の異同弁別についての比較認知研究の可能性を探るため、聴覚刺激を用いた場合(金森・須藤,2000)と3次元的に回転する円と楕円の弁別についてヒトでの実験を行い、同様の比較研究をハトで行える可能性が示唆された。 ハトでの刺激等価性の実験1では、人の顔の画像合成をコンピュータで行って刺激カテゴリーを形成した。顔Xと他の顔(A,B,C)をそれぞれ50%ずつ合成して顔XA,XB,XCを作成した(カテゴリーX)。同様にしてYD,YE,YF(カテゴリーY)を作成し、移動式並列型動物実験システムでXA=XB(YD=YE)とXB=XC(YE=YF)の機能的等価性訓練をおこなった。その結果、XA=XC(YD=YF)の新しい関係が創発された。実験2では、相互に類似していないXとA,B,C(YとD,E,F)の間にも等価な関係の創発が見られた。このことから、家族的類似性をもつカテゴリー{A,B,C,X,XA,XB,XC}と{D,E,F,Y,YD,YE,YF}では、そのいくつかの成員間で等価関係を訓練しただけでその関係が他の成員にも波及し、カテゴリーが容易に形成されることが確かめられた(動物心理学会、基礎心理学会にて発表予定)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 実森正子: "再考刺激等価性における反射性"動物心理学研究. 50・1. 199-201 (2000)
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[Publications] 牧野浩,実森正子: "ハトにおける人の顔画像のカテゴリー学習とプロトタイプ効果"心理学研究. (印刷中). (2001)
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[Publications] 実森正子,牧野浩: "新型ハト用MDP条件づけパネル"動物心理学研究. 49・2. 171-180 (1999)
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[Publications] Jitsumori,M.,Natori,M.Okuyama,K.: "Recognition of moring video images of conspecific by rigcons, Effects of individuals, static, and dynamicmociou cues,"Animae Learing & Behavior. 27、3. 303-315 (1999)
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[Publications] 金森恭子,須藤昇: "音刺激の異同判断における交差次元間干渉効果"信学技報TECHNICAL REPORT OF IEICE. 42. 55-62 (2000)
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[Publications] M.Jitsumori & J.Delias (分担): "Primate origin of human cognition and bebavior"Springer-Verlag. 320 (2001)
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[Publications] J.D.Delius,M.Jitsumori,& M.Sieman (分担): "The Evolution of Cognition"The MIT Press. 386 (2000)