1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610069
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Research Institution | 東京商船大学 |
Principal Investigator |
下野 孝一 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (70202116)
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Keywords | ステレオグラム / 運動・距離不変仮説 / 両眼立体視 / 観察者運動 |
Research Abstract |
頭部に側方に運動させながら,静止したステレオグラムを観察すると,融合画像は運動して見える.われわれはこの現象に関する,運動・距離不変仮説にもとづく予測を検討した.実験1では融合画像間の奥行と運動の量を網膜像差の関数として測定した.実験2では奥行と運動の量を観察距離の関数として測定した.その結果,見かけの運動量は網膜像差と観察距離の,あるいは見かけの奥行量の関数として変化した.また,見かけの運動量と奥行量の間の偏相関は低いが,見かけの運動量と予測された運動量,見かけの奥行きと予測された奥行量の偏相関は高かった.これらの結果を見かけの運動量は見かけの奥行量というよりむしろ,予測された奥行量によって決定されていることを示唆している. 本研究では刺激(ステレオグラム)は,コンピュータに接続されたVisual Stimulus Generator(購入設備)で生成し,CRTスクリーンに提示された.被験者は液晶シャッターゴーグルを通して,スクリーンを観察した.被験者の頭部位置は,optical encoderで検出され,コンピュータによってモニターされた.被験者は,自分の頭を画面と平行に動かし,その間にステレオ画像間の見かけの奥行量,さらにそれぞれの刺激の見かけの運動の方向と量を報告する.また,被験者は自分からスクリーンまでの距離を報告する.奥行量,運動量,および刺激までの距離は再生法によって測定された.本実験ではステレオ画像間の網膜像差,被験者の頭部運動量,スクリーンまでの距離が実験変数であった.
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