2000 Fiscal Year Annual Research Report
大卒5年後の初期キャリア形成に関する追跡的研究-時間的展望の再編成に注目して-
Project/Area Number |
10610113
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
白井 利明 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00171033)
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Keywords | 職場適応 / 時間的展望 / キャリア発達 / ライフプランニング / 職業指導 / 縦断研究 / 環境移行 / 成人期 |
Research Abstract |
大卒就職者の5年後の職場適応に関するデータを収集するために,大学卒業後5年目の男性2人と女性11人の調査協力が得られ,質問紙と面接による調査を行った。質問紙は,郵送法により,卒業後の進路と職場の状況,職務満足,大学生活と大学時代および卒業後1年目の職業探索行動または職場適応に関する回想,ライフ・プロジェクトの測定を,自由記述を中心に行なった。また,縦断的データを重ねている時間的展望と自我同一性地位の測定,VPI職業興味検査を実施した。面接調査は,予備調査をふまえて,職場適応の実際の行動,その動機と見通しについて明確にするための質問から構成された。面接記録は筆記されると同時に,テープレコーダーで録音され,文章化された。面接時の職業は,小学校教師3人,会社員1人で,大学生1人と主婦1人も参考までに調査された。 面接調査の結果から以下のことが示唆された。つまり,(1)教員養成課程卒業生は,教員を中心とした広い意味で教育にかかわる仕事に収斂していくことが示された。(2)彼らのキャリア適合感(そのキャリアに合っていると思うか)は,「やっていて楽しい」「自分の成長が感じられるから」「希望職種だから」というような主観的なフィット感や目標達成感が中心だった。(3)キャリア適合感は大卒5年目が2年目よりも低いが,その理由は,教員では自分の適性を客観的に見るためであり,講師や心理職では位置づけに不満を持つためであると考えられた。(4)支援の内容として,職種や彼らのキャリア段階に応じた支援やライフコースに関する長期的な見通しの形成が必要だとされた。
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Research Products
(2 results)