1998 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期から思春期までの自己実現獲得に関する教育心理学的実践研究
Project/Area Number |
10610121
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 晃 広島大学, 教育学部, 教授 (40106761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石王 敦子 追手門学院大学, 人間学部, 助教授 (80242999)
湯澤 正通 広島大学, 教育学部, 助教授 (10253238)
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Keywords | 自己実現 / 幼児期 / 児童期 / 思春期 / 自己主張 / 自己抑制 / 親子関係 / 社会的情報処理 |
Research Abstract |
本研究は、自己実現獲得メカニズムの解明及びそれに関連する要因を特定することを目的とした研究である。すなわち、幼児期から思春期までの自己実現獲得メカニズム、及びそれにかかわる要因と考えられる自己主張、自己抑制、共感性などとの関係について発達的に検討することを目的としたものである。 具体的には、本年度は、幼児期から思春期までの自己実現をとらえるための尺度を、幼児用、児童用、中学生用、及び大学生用を作成し、それぞれに該当する年齢群に実施した。その上で、現在、作成した尺度の妥当性を検討し、さらに、自己実現獲得にとって重要で、かつ基礎的役割を果たすものとしての自己調整能力や共感性などの要因の種類と役割を検討している。すなわち、研究1では、幼児の自己実現を仲間との協調的対人関係から捉えるという視点から、共感性、自己主張、自己抑制との関連を調べている。研究2では、小学校2年生と5年生を対象として、親のしつけ方略に関する子供の認知と自己実現の関連を検討するという視点から、親の子供の発達に対する志向性と、子どものもつ親の期待認知との関係を検討している。研究3では、幼児の自己実現と社会的情報能力との関係を検討することを目的として、葛藤場面、被害場面、好意場面、対成人場面での社会的情報処理能力と自己実現水準との関連を検討している。研究4では、中学生の自己実現と親の自己実現との関連について、親子関係の受容-拒否の次元と、統制性-自律性次元の2つの観点から検討した。研究5では、幼児の自己実現を社会的行動の一つである、攻撃性との関連から検討しつつある。これらの研究成果のいくつかについては、今年中に開かれるいくつかの学会で発表する。
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