1998 Fiscal Year Annual Research Report
ラテンアメリカ日系人の適応とアイデンティティに関する研究〜留学生の調査を通して
Project/Area Number |
10610143
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
角川 雅樹 東海大学, 外国語教育センター, 助教授 (90188607)
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Keywords | 日系人 / ラテンアメリカ / 移民 / アイデンティティ / 留学生 / スペイン語 / MMPI / 神経質調査票 |
Research Abstract |
ラテンアメリカ諸国からの日系人留学生20数名に、MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory)のスペイン語版とポルトガル語版を施行し、その結果をパソコンの表集計ソフトで処理、グラフ化(プロフィール化)している。同時に、神経質調査表も施行、これは森川療法学会で開発され、その後、申請者がスペイン語に翻訳し、これまで他の調査研究でも活用してきたもので、その調査結果は森川療法学会雑誌に掲載されており、すでにある程度確立した質問紙法である。 パソコンで処理し、プロフィール化したものを本人(被検者)と一緒に見ながらフィードバック、それと同時に面接調査を実施している。この方式がかなり有効であることは、本人が自分の検査結果を知りたいという動機がすでにあり、そこから面接に自然に入っていけるという点に存する。また、日系人は小さい時から、日本と現地諸国に狭間におかれ、「自分とは何か」という問いをこれまで抱いてきた人が多く、自分を知りたいという欲求を持っていることが、面接を通して分かった。 ラテンアメリカからの移民がもっとも多い県である、沖縄県の県立図書館へ出向き、移民関係の資料を閲覧、収集し、それと本調査結果をつきあわせて検討、また、日本からいちばん近いラテンアメリカの一国メキシコへ出向き、日墨協会理事らとともに資料を検討し、その正確さを期した。本調査研究は4年間の継続で行なわれるものであるが、初年度、第一段階としては、十分な資料の蓄積がなされ、今後の分析の基礎と方向づけができたものと考えられる。
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