1999 Fiscal Year Annual Research Report
自尊感情の源泉の相対的重要性に関する社会心理学的研究
Project/Area Number |
10610144
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
安藤 清志 東京女子大学, 文理学部, 教授 (50125978)
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Keywords | 自尊感情 / 自己 / 自己概念 / アイテンティティ |
Research Abstract |
前年度に実施した調査項目をさらに改良した調査用紙を作成し、男女大学生約250名に対して実施した。用いられた主要な尺度は、自尊心尺度(Rosenberg,1965)、自大学・他大学の評価(教員の質、研究設備、就職先、カリキュラム、学生の質、世間からの評価など12の側面)、サークル・大学・家族の状況、友人関係(最も親しく付き合っている同性の友人との関係の質についての評定)などである。 その結果、女性回答者の場合、前回の調査と同様、自大学の評価については高自尊心群のほうが低自尊心群よりも高いが、他大学の評価に関しては両群の間に差が認められなかった。また、友人関係の評価に関しては、自尊心の高い回答者のほうが自己の友人関係を肯定的に評価するという「関係高揚バイアス」が認められた。一方、男性に関しては、友人関係の評価に関しては、女性回答者と同様の傾向が認められた。しかし、前回の調査と異なり、自尊心と自大学、他大学の評価に関して明確な差異が認められなかった。現在、さらに詳しくデータの分析を進めており、前年度のデータとの比較を行うことにより、一貫した結果が得られなかった理由について検討する予定である。また、この作業と並行して、データベースにより自尊感情維持の方略に関する内外の文献を調査し、次年度の実験・調査の計画の資料とする予定である。
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