1999 Fiscal Year Annual Research Report
語彙分析と音声分析の観点からの催眠現象とイメ-ジ体験の特徴の総合的分析
Project/Area Number |
10610147
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
門前 進 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (40138144)
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Keywords | 催眠 / イメージ / 周波数分析 / 同期 |
Research Abstract |
1.以前の研究において、睡眠誘導過程における睡眠誘導初心者と熟練者の言葉掛けにおける音声の周波数分析において、違いが見出されている。今回は、言葉という意味内容を排除して、初心者と熟練者の音声の周波数における特徴だけを取り出し、それを10個のリズムの合成音として作成した。それと同時に、リズムの合成音として、催眠誘導超熟練者の音声における周波数分析において見出された複合リズムに類似した規則的機械的リズムと、それとは正反対の複合リズムを作成し、それら4つのリズムの与える影響を複数の被暗示性と気分の側面から測定した。結果としては、一貫したものが見出されなかった。このことについては、更なる研究が必要であろう。 2.催眠経験初心者と催眠経験熟練者における呼吸リズムの同期について調べた。以前の研究では、催眠経験初心者同士、および催眠経験熟練者同士の催眠誘導過程における呼吸の同期が調べられたが、今回は、催眠経験の初心者と熟練者における呼吸の同期が調べられた。以前の結果と合わせて考えると、同期の程度に関しては催眠誘導者が被催眠者よりも大きく関わり、呼吸リズムに関しては被催眠者が催眠誘導者よりも主導権を握っているのではないかという結果が得られた。 3.イメージ体験に対する干渉刺激がどのような影響を与えるかという観点から、実験が行われた。干渉刺激としては、イメージ体験内容と同じ音刺激、少し異なる音刺激、大きく異なる音刺激が用いられた。イメージ体験と音刺激から生じる干渉関係は、同じ音刺激および大きく異なる音刺激では干渉関係はすぐに処理されたが、少し異なる音刺激の場合には、干渉関係の処理が干渉刺激の存在しない状況にも影響を与えた。
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[Publications] 山極和佳: "いくつかの典型的な暗示によって生じる意識状態の特徴比較-顔面表情反応を指標として-"催眠学研究. 44巻1号. 8-18 (1999)
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[Publications] 藤城有美子: "からだの動きと言語教示がイメ-ジの感覚的側面に与える影響"催眠学研究. 44巻1号. 45-55 (1999)
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[Publications] 藤城有美子: "指定イメ-ジに対するからだの動きと言語教示の影響について"ヒュ-マンサイエンスリサ-チ、(早稲田大学大学院人間科学研究科紀要). 8巻. 63-73 (1999)
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[Publications] 門前進: "自己催眠イメ-ジ体験が後続の自己催眠イメ-ジ体験に与える影響とその特徴"催眠学研究. 44巻2号. 23-30 (1999)
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[Publications] 藤原 勝紀: "現代のエスプリ「イメ-ジ療法」"至文堂. 212 (1999)