1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610157
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大坪 正一 弘前大学, 教育学部, 助教授 (80194215)
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Keywords | 市民オンブズマン / 情報公開 / 住民運動 |
Research Abstract |
情報公開・市民オンブズマン運動の全国的な状況に関しては、引き続き全国市民オンブズマン連絡会での会議等に出席し、運動の展開と現状を調査した。オンブズマン運動に参加している個人に対しては、二つのアンケート調査を実施した。一つは、情報公開運動からオンブズマン運動へ転換しようとしている青森県の運動参加者に対してであり、99年3月〜4月期に実施した。参加者には50代以上が多く、弁護士や専門家を中心とするグループに対する「逆お任せ民主主義型」と言われる傾向がみられた。もう一つは、全国的にもっとも先進的な活動を展開している仙台市民オンブズマンであるが、このオンブズマンは少数精鋭+タイアップグループの組織化という運動方針を持っている。このタイアップグループ参加者への意識調査はメンバーの秘匿条項があり難航したが、99年11月〜12月期に実施した。両者の組織化の違いで特徴的なことは、いわゆるオンブズマン組織の運動である「不正追及」をすることと住民自治発達との関連である。仙台の事例に関しては、オンブズマン組織やタイアップグループ結成に対して方針を持ってきた宮城地域自治研究所との関係が重視される。単なる支援組織として、カンパ活動など後方支援を行うだけではなくて、独自の組織として時には市民感情に照らしながら「舵取り」までも可能にしていける組織となれるかどうか、オンブズマン運動の質的発展にとって決定的だと思われる。それを可能にできる個人はどのように作られるのか、今後の分析課題である。
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