1999 Fiscal Year Annual Research Report
教護院(現 児童自立支援施設)にみる夫婦小舎制の展開ー建物を中心とする生活環境を通してー
Project/Area Number |
10610181
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Research Institution | Asai Gakuen University |
Principal Investigator |
阿部 祥子 北海道女子大学, 人間福祉学部, 教授 (10060667)
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Keywords | 夫婦小舎制 / 児童自立支援施設 / 北海道家庭学校 / 岡山県立成徳学校 / 建物の図面 / 住まいと生活 / 生活環境 / 処遇 |
Research Abstract |
本研究は、建物をはじめとする周辺環境は〈もの〉ではあるものの、日々の〈生活〉や〈教育〉を具体的に支えており、処遇をこれまでとは異なる観点で捉えることができる、という視点にたっている。ここでは、北海道家庭学校など夫婦小舎制をとる児童自立支援施設(1998年3月まで教護院)を対象とし、建物の図面を示し、旧・現職員に聞き取りを行い、児童・職員・職員家族がこの場でどのように生活してきたか、この場が住まいとしてどう機能してきたかを把握する、という手法をとっている。 北海道家庭学校を対象とする調査研究の成果は、日本生活学会論文誌『生活学論叢』に、「旧教護院(現児童自立支援施設)にみる夫婦小舎制の展開ー建物を中心とする生活環境を通してー 1)北海道家庭学校の場合」として投稿中である。 今年度の調査施設とした岡山県立成徳学校へは、事前調査として2回訪れ、図面や資料整理を行った。本調査は11月と1月の2回、通算2週間にわたり、22名の旧・現職員を対象に調査を実施し、現在テープ起こしと図面整理の作業中でる。 2000年度は、岡山市以外に住む成徳学校旧職員に聞き取りを行うとともに、これまで実施した2事例調査を踏まえ、全児童自立支援施設を対象に、建物を中心とする生活環境に関する調査を行う予定である。以上の調査をすることで、児童自立支援施設にみる夫婦小舎制の展開が、より明確に把握することができると考える故である。
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