2001 Fiscal Year Annual Research Report
教護院(現 児童自立支援施設)にみる夫婦小舎制の展開-建物を中心とする生活環境を通して-
Project/Area Number |
10610181
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Research Institution | BUKKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阿部 祥子 佛教大学, 社会学部, 教授 (10060667)
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Keywords | 夫婦小舎制 / 児童自立支援施設 / 北海道家庭学校 / 岡山県立成徳学校 / 住まいと生活 / 建物の図面 / 処遇 / 全職員アンケート調査 |
Research Abstract |
本研究は、建物をはじめとする周辺環境は<もの>ではあるが、日々の<生活>や<教育>を具体的に支えており、処遇をこれまでとは異なる観点で捉えることができる、という視点に立ち、実態を把握している。調査対象を、児童自立支援施設(旧教護院)とし、二つの方法をとっている。 一つは、夫婦小舎制をとる北海道家庭学校と岡山県立成徳学校を対象に、建物の図面を示し、旧・現職員に聞き取りを行っている。テープをもとに、この場で児童・職員・職員家族がどのように生活し、住まいとしてはどう機能してきたかを捉え、図面に整理し、実態把握をした。 二つには、上記調査を踏まえ、全国の児童自立支援施設に働く全職員を対象に、郵送アンケート調査を実施した。返送された票数は810票(回収率4割強)であり、職員の関心の深さが推測された。なお、調査は、性別・年齢・職種・指導(寮舎のタイプを中心)形態などの基礎項目と、仕事内容や労働環境、児童の生活状況などの意識に関する項目、児童生活に直接関わっている児童自立支援専門員と児童生活支援員には、更に児童との関わりや建物を中心とする生活状況や家族構成、住まいの状況に関する項目を加え、アンケート調査を実施した。この調査により、指導形態や年齢などによる意識の違い、夫婦小舎制と他の指導形態との家族生活の差などが明らかになっている。以上を通して、児童自立支援施設にみる夫婦小舎制の展開が、より明確に把握されている。 なお、本年度は岡山県立成徳学校のまとめと、アンケート調査の集計・分析の作業を重点的に行い、最終報告書作成に取り組んでいる。
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