1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610186
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
坂田 周一 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (20133473)
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Keywords | 社会福祉 / 地域格差 / 民生費 / 都市化 / 財政 |
Research Abstract |
地方自治体の社会福祉関連支出である民生費は財源別にみると国からの補助金部分と自治体負担分である一般財源部分に分けられる。本年度は、社会福祉における地域格差指標の一つとして、民生費における一般財源部分の地域差を全国の都市について求め、これを分散を説明する関数モデルを検討した。社会福祉における地方自治体の取り組みの違いが、どのような要因に関連しているかを明らかにすることにつながるものである。 まず、一般財源部分の規模は補助金額に依存することは当然なのでその影響をコントロールする目的で、補助金額をモデルに投入した。この段階での回帰式の決定係数は0.696である。次に、地域の価格水準を生活保護制度の級地区分によって代表させたダミー変数を投入したところ、決定係数は0.753に上昇した。 地域の特性を表す変数として人口、世帯、経済、地方財務の区分で選択した11の変数に合成した変数を投入することしとし、主成分分析を行った。その結果、二つの主成分が抽出された。第1の主成分は、地域の都市化の程度を表す変数群に高い因子負荷を見られた。第2主成分は、経常収支比率、公債費負担比率など自治体の財務指標に高い因子負荷を示し財政の悪化を表す因子と解釈された。 上記の手続きによって計算された二つの合成地域指標である都市化度と財政悪化度を回帰式に追加投入したところ、決定係数が0.771に改善し、こうした地域特性が社会福祉への一般財源の投入に有為な関連をもつことが明らかになった。
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