Research Abstract |
平成10年度の研究において,まず,東京都下の1市に在住の65歳以上の高齢者全数23,597人から無作為に抽出した7,800人を対象に,要介護高齢者のスクリーニング調査を実施し,558人の要介護高齢者の抽出を行った。次に,それらの要介護高齢者の主たる介護者を対象に訪問面接調査を行い,406人の調査を完了した。 本年度に行った分析から,代表的な保健福祉サービスの認知および利用の状況,そして非利用者の利用意向の状況(カッコ内)は,以下の通りであった。ホームヘルプサービスは,利用中20%,知っている74%,知らない6%,(利用したい14%,利用したくない63%),デイサービスは,利用中21%,知っている64%,知らない15%,(利用したい22%,利用したくない59%),ショートステイサービスは,利用経験あり23%,知っている61%,知らない16%,(利用したい20%,利用したくない58%),訪問看護サービスは,利用中11%,知っている71%,知らない18%(利用したい12%,利用したくない78%)。 以上のような認知・利用・利用意向の状況に影響を与えている要因としては,以下のようなものが見出された。ホームヘルパーについては,家族構成,高齢者の身体状態,介護者の性別,副介護者の有無,介護負担,デイサービスについては,高齢者の身体状態・精神状態,介護者の続柄,介護負担,ソーシャルサポート,ショートステイについては,家族構成,高齢者の身体状態・精神状態,介護者の年齢・続柄,介護程度,介護負担,ソーシャルサポート,訪問看護については,高齢者の身体状態,介護程度,介護負担。これらの知見から,今後の保健福祉サービスの整備および利用の促進に関するいくつかの示唆が得られた。
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