1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本・タイ国・マレーシア・イスラエルのコミュニティ比較研究
Project/Area Number |
10610204
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
舟橋 和夫 龍谷大学, 社会学部, 教授 (80081173)
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Keywords | フィールド・ノーツの電子化 / 使用言語の統一 / フィールド・ワーク技法 |
Research Abstract |
過去のフィールド・ノーツを電子化する過程で明らかになったことは、使用言語の統一という問題であった。日本語入力を主に考えられたソフト(WEMO)を使用し、フィールド・ノーツのテキスト・データ化(電子化)を計るため、アルバイトにデータ入力を依頼した。しかし、イスラエルのフィールド・ノーツで散見されるヘブライ語の記述の電子化はアルバイトの手には負えない。また、マレーシアのフィールド・ノーツの様々な箇所にマレー語が用いられ、タイ国でのフィールド・ノーツにはタイ語がそのまま用いられている。そのため、アルバイト学生ではデータ入力が困難であることが判明した。フィールド・ワーカー自身(筆者)がチェックをしないと先には進みにくいことが多い。したがって、時間をかけた割には入力が進まない事態が生じた。人もソフトもマルチリンガルが可能でない場合には、電子化はきわめて困難である。検索や概念の構造化などさらに困難が伴う。他方、定型の量的データの入力は、テキストデータの入力に比較して順調に入力作業が進んだ。 日本語によるデータ入力では問題点が少ないため、まずは日本語によるフィールド・ノーツの電子化を促進することにして、それをできる限り加工せず公刊することを目指した。「鮎を語る」と題した小稿はそうした試みの一つである。それはまたフィールド・ワーク技法の開発を兼ねていて、インフォーマントの語りの記録から電子化を行い、その後はすべてデジタルのまま公刊する試みである。
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