2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610229
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Research Institution | UNIVERSITY OF TSUKUBA |
Principal Investigator |
飯田 浩之 筑波大学, 教育学系, 助教授 (40159562)
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Keywords | 高等学校 / 高校教育 / 教育改革 / 総合学科 / カリキュラム / 生徒 |
Research Abstract |
本年度(研究第3年度)は,研究対象である茨城県立八千代高等学校総合学科について,l.第1期から第3期までの入学生徒の特性および入学の経緯の変化,2.第1期生における1年次から3年次に至る学校に対する構えや意識の変化,3.同じく第1期生における総合学科で3年間学んだことの評価を明らかにするとともに,4.研究全体の総括を行なった。 1.入学生徒の特性の変化に関して:第1期生から第3期生を比較することで,(1)入学生徒の特性が,中学時代,学校内外の諸活動に活発で向学校的,教師からの評価もより高くなる方向で変化してきていること,(2)入学の経緯については,「総合学科」であることが受験校決定の契機にならなくなってきていること,にもかかわらず,「総合学科」にある程度の魅力を感じて受験していることにかわりはないことを明らかにした。 2.1期生における学校に対する構えや意識の変化に関して:第1期生に対して継続して行った質問紙調査の結果より,(1)彼らには,徐々に学校から離脱する傾向が見て取れる一方で,特に2年次から3年次にかけて,学校生活を実質において受け止める傾向も見て取れること,(2)学校の教育活動に対する見方は学年を追って厳しくなっていること,(3)にも関わらず学校生活に対する評価は学年を追って高くなっていることを明らかにした。 3.1期生における「総合学科」評価に関して:(1)「教科・科目の選択」に魅力を感じた生徒が多いこと,(2)その点に惹かれるかどうかが学校生活についての総括的な評価と密接に関わっていることを明らかにした。 4.研究全体の総括に関して:八千代高校の制度的・組織的文脈,これまで行なわれてきた改革の経緯と関わらせて「総合学科」の定着過程を整理し,今後の課題と展開の可能性の検討を行なった。
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