日本及び旧植民地朝鮮・台湾におけるハンセン病児童の生活と教育と人権の歴史

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10610231
• Research Institution: Saitama University
• Principal Investigator: 清水 寛 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70008712)
• Keywords: ハンセン病療養所 / ハンセン病児・「未感染児」問題 / 生活・教育・人権の歴史 / 日本および旧植民地

Research Abstract

1) 全国のハンセン病療養所(国立13,市立2)および旧植民地朝鮮・台湾の「癩療養所」の歴史に関連する資料・文献(年誌み年報・事業報告や関連書籍・論文等)を1,000点余り収集した。そして、しれらの資料・文献に基いて,明治期行こう昭和期に至るまでのハンセン病療養所入所児童・生徒の生活・養護・医療・保育・教育等々係わる史実を整理・検討し「日本ハンセン病児問題史年表(第1次案)」を作成した。その年表と関連主要文献一覧を添えて「日本ハンセン病児問題史研究〔1〕」と題する論文(主たる内容は,(1)先行関連研究の検討,(2)研究の目的と方法)を『埼玉大学紀要教育学部(教育学科I)』第48巻第1号に発表した。
2) 日本特殊教育学会第36大会(1998年9月,文教大学)において,「自主シンポジウム:ハンセン病療養所における子どもたちの生活・教育・人権の歴史と未来への教訓」の企画者・話題提供者となり,国立療養所多磨全生園の入園者をもシンポジストに迎えて、本テーマのもつ重要性・意義について、広く、学会員にアピールした。
3) 1999年1月25日から2月1日まで、大韓民国の国立小鹿島病院(前身は朝鮮統府立小鹿更生園)とハンセン病回復者たちの自立生活村の一つである益山農場とを訪問し、日本の植民地時代の「癩」政策の実態と第二次大戦後の韓国におけるハンセン病政策の動向等について調査した。

Research Products

• [Publications] 清水 寛: "ハンセン病療養所における子どもたちの生活・教育・人権の歴史と未来への教訓-国立療養所多麿全生園を中心に-" 国立療養所多麿全生園入所者自治会機関誌『多麿』. 79巻12号. 22-26 (1998)
• [Publications] 清水 寛・平田勝政: "自主シンポジウム:ハンセン病療養所における子どもたちの生活・教育・人権の歴史と未来への教訓-国立療養所多麿全生園を中心に-" 日本特殊教育学会機関誌『特殊教育学研究』. 36巻5号. (1999)
• [Publications] 清水 寛: "日本ハンセン病児問題史研究[I]-研究の課題と「日本ハンセン病児問題史年表(第1次案)」-" 『埼玉大学紀要教育学部(教育科学I)』. 48巻1号. 23-74 (1999)
• [Publications] 清水 寛: "日本ハンセン病児問題史研究[II]-聞き書き:国立療養所沖縄愛染園における宮城兼尚氏の「患者補助教師」としての歩み" 『埼玉大学紀要教育学部(教育科学I)』. 48巻2号. (1999)
• [Publications] 清水 寛: "日本ハンセン病児問題史研究[III]-聞き書き:国立療養所沖縄愛染園における宮城兼尚氏の「患者補助教師」としての歩み(2)-" 精神薄弱問題史研究会機関誌『障害者問題史研究紀要』. 38. (1999)
• [Publications] 清水 寛: "韓国の国立小鹿島ソロクト病院と定着村・益山イクサン農場への訪問" 『埼玉大学学報』. 420号. (1999)