知識生産システムのモード転換とポスト・マス高等教育時代の大学

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10610237
• Research Institution: The University of Electro-Communications
• Principal Investigator: 小林 信一 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究所, 助教授 (90186742)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 加藤 毅 筑波大学, 大学研究センター, 講師 (10233800) ; 米澤 彰純 広島大学, 大学教育研究センター, 助教授 (70251428) ; 調 麻佐志 信州大学, 人文学部, 助教授 (00273061)
• Keywords: モード論 / 高等教育 / 科学技術 / 産学連携 / ナショナル・イノベーション・システム

Research Abstract

本年度は以下の事項について検討、調査を行った。
(1)モード論に関する理論的検討
・昨年度に引き続き、モード論に関する理論的検討を行った。とくに、本年度は、進化経済学とくにナショナル・イノベーション・システム(以下N I S)に関する議論との関係を整理し、モード論の特質を検討した。
・前項との関連で、産学連携やそれに伴う研究活動等の組織化の、N l Sの中での位置付けについて検討した。
これらについて論文にまとめた。
(2)各種の事例の調査
大学における知識生産の変容を具現化している例として、本年度はとくに産学連携を中心とする新しいタイプの研究活動の組織化について事例調査を行った。このため、昨年度に引き続き、中小企業と大学の連携、地域における産学連携のシステムなど実地調査を行った。とくに地域の研究開発クラスターの形成の観点から調査を行い、その多様性について検討した。
(3)国際機関の動向分析と総合的分析
OECDの科学技術政策委員会における関連する議論の経過について調査するとともに、OECD事務局担当者との意見交換等を行った。これらは、第1項のN I Sの中での位置付けに関する理論的検討、第2項における地域の研究開発クラスターの形成の観点に反映され、総合的分析に役立てられた。
(4)上記のほか、昨年度の成果について論文等にまとめた。

Research Products

• [Publications] 小林信一: "科学技術のモード論"熱工学講演会講演論文集. 41-42 (1999)
• [Publications] 小林信一: "科学技術のモード論の背景と展開"まてりあ. 38・11. 3-6 (1999)
• [Publications] Kobayashi, S.: "Changes in the S&T Labor Market and its Future"Proc. OECD Workshop on S&T Labor Markets. 91-99 (1999)
• [Publications] Kobayashi, S.: "Applying Audition Systems from Performing Arts to R&D Funding Mechanisms"Research Policy. 29・2. 181-192 (2000)