1998 Fiscal Year Annual Research Report
地方公共団体と高等教育機関との連携に関する実証的研究-新潟県を事例として-
Project/Area Number |
10610239
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤村 正司 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (40181391)
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Keywords | 高等教育 / 地域交流 / 公私協力型私学 / 地域貢献 |
Research Abstract |
地方自治体と高等教育機関との交流・連携をより促進するための実証的研究として、平成10年度は新潟県を事例に二つの調査を行った。一つは、新潟大学教員調査(配布数796、回収数332、回収率41.7%)、今一つは、県内有識者調査である(配布数1,421、回収数672、回収率47.1%)。教員調査によって明らかになったことは、第一に「過去一年間の、県内の機関・団体からの協力要請への対応」があったものが80%にものぼり、とくに教育機関・研究機関からの要請が44%と多いこと、しかし、第二は大学が実施する地域交流・大学開放事業への参加は45%の教員は参加経験がないと回答していることである。従って、地域交流が個人レベルで行われていること、大学に適当な窓口がとくに文系では少ないことを示している。第三は、大学と地域との交流の障害となっている条件として、地域の側にある問題は、「人的なネットワークが閉鎖的で特定の人に偏っていること」(そう思う:30%)、また大学側にある障害として、「教育・研究で忙しくて時間がとれないこと」(そう思う:51.7%)であった。第四に、国立大学と地域社会との関係については、教員は「県・市の資金が大学に受け入れられるような制度を設ける」(大いに賛成:38%)を望んでいることがわかった。他方、県内有識者の新潟大学に対する認知度や関心度は高いといえるが、実際の交流は「医療・保健」の有識者で比較的活発であることを除けば、ほとんど見られない。また、有識者は新潟大学に対して地域への貢献を望んでいるが、この点は教員の脱ローカル志向と大きな差異があることも明らかになった。さらに、新潟大学のイメージとして「教員の地域貢献」よりも「地域での卒業生の活躍」を期待していること、有識者の40%が所在県に新潟大学が貢献していると認めるが、将来はもっと貢献すべきだと回答したものは70%近くに達した。平成11年度は、県内の自治体調査に対する機関調査を行い、さらに新潟県内の国立・私立大学の地域交流の総体を構造化する。
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Research Products
(1 results)