1998 Fiscal Year Annual Research Report
アジア諸国の教育後発効果と価値教育に関する国際比較研究-「先進国」化政策の検討
Project/Area Number |
10610249
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉本 均 京都大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (50211983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 耕治 京都大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (10135494)
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Keywords | アジア / 比較教育 / 後発効果 / 価値教育 / 先進国 / シンガポール / ブータン / 中華人民共和国 |
Research Abstract |
アジア諸国における「科学・言語教育」の後発効果および「優秀化」政策に関して、初年度は、シンガポール共和国、中華人民共和国、,ブータン王国についての研究を開始した。ジンガポールとブータン王国に関しては、別の研究プロジェクト(民間および文部省国際学術研究)による現地調査を利用し、教育政策、実践報告、教科書などの文献を入手し、科学・言語教育と価値教育の現状について文献整理と分析を行った。シンガポールではマレー系マイノリティの教育達成の弱さを補強する民間プログラム(MENDAKIやAMP)に注目している。ブータン王国では西洋型教育の流入にともなう、子供の伝統的価値からの乖離を防ぐための道徳教育の導入計画について詳しい分析に入った。この成果については平成11年6月の日本比較教育学会大会で発表予定である。 中国に関しては、本科研の海外渡航を利用し、北京の中央教育科学研究所を訪問し、専門家から中国教育動向、授業分析の方法などについてレビューを受けた。さらに別途中国で使用されている教科書等を人手し、その一部翻訳も含めて分析しやすい形に加工整理して、研究分担者に分析を依頼した。中国では従来から教育への政治的価値の影響が大きく、伝統的価値や宗教的価値を極力排除しようとする傾向があったが、近年の急速な自由経済への移行に伴う教育への影響が現れているかどうかを中心に分析を進めている。 次年度はこれらの国の分析をさらに進めるとともに、新たにブルネイ王国の教肯分析を加えて国際比較研究の幅を拡大したい。
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Research Products
(2 results)