1998 Fiscal Year Annual Research Report
オックスフォード理想主義学派と労働者成人教育運動の展開-T.H.グリーンからA.D.リンゼイへ至る系譜-
Project/Area Number |
10610259
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安原 義仁 広島大学, 教育学部, 助教授 (00093823)
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Keywords | オックスフォード理想主義学派 / B.ジョウエット / T.H.グリーン / 労働者成人教育運動 / 大学拡張運動 / チュートリアル・クラス / 大学改革 / A.D.リンゼイ |
Research Abstract |
19世紀中葉から20世紀前半にかけてのオックスフォード大学における労働者成人教育運動は、ベリオル・カレッジの知的伝統に棹さすオックスフォード理想主義学派の人々によって担われ展開された。イギリスのエリート教育の牙城とされるに至るベリオル・カレッジは、同時にまた労働者成人教育の本拠ともなったが、その主たる要因は、オックスフォード理想主義哲学のなかに、知識人・大学人の社会的責任を重視し、行動する知識人、市民的学者を産み出す思想が蔵されているからだといってよい。 本研究は上記のような問題関心に基づき、1870年代の大学拡張運動の始まりから1920年代におけるチュートリアル・クラス運動の最盛期までの時期の、T.H.グリーンからA.D.リンゼイに至るオックスフォード理想主義学派の成人労働者教育運動への関わりを、思想と運動の両面から具体的に跡づけようとするものである。 本年度は成人労働者教育運動に関与した一群のオックスフォード理想主義学派の人々を特定し、かれらの思想と行動に関する資料を収集・整理して分析を進めるとともに、そのなかの一人であるB.ジョウエットに焦点をあて、労働者成人教育運動に関するかれの思想と行動について具体的に明らかにした。そしてその成果を中国四国教育学会第50回大会(島根大学)において「B.ジョウエットと19世紀イギリスの大学改革-新たなる伝統の形成-」と題して報告した。
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