1998 Fiscal Year Annual Research Report
人文社会系を中心とする学問の専門分化と学会の構造と機能に関する社会学的研究
Project/Area Number |
10610260
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 博敏 広島大学, 教育学部, 助教授 (10127730)
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Keywords | 学問 / 科学 / 学会 / 専門分化 / 人文社会科学 / 大学 / 社会学 |
Research Abstract |
本年度は、まず、人文社会関係の学会約500の創立年を「学術団体総覧」より調査し、それぞれの専門分野でいつ頃からどのような形で学会が創立されてきたかを分析する作業を行ってきた。現在、以下の事項が明らかになった。主要な学会は昭和初期までに生まれたが、現代のような学会が生まれてきたのは戦後のことである。1960年代以後、各分野においてすさまじい専門分化が進行し、下位分野の学会が多数生まれた。 次に、学会の事務局調査として、日本経済学会、日本心理学会の他に、比較対象として、日本化学会、日本物理学会、電気通信学会の事務局を訪問して、事務局の活動状況の視察と関係資料の収集を行った。また、インターネット上に公開されている人文社会学会約80のホームページを閲覧して、学会の組織や活動内容に関する情報を得た。さらに、平成10年12月から11年1月にかけて、125の学会事務局を対象にして「人文社会科学関係の学会に関する調査」と題する質問紙調査を行い、34の学会事務局から回答を得た。分野間の回答状況にばらつきがあるので、主要学会については、8質問項目のうちインターネット上に公開されている情報で補っている。現在、これらのデータを分析可能なかたちにすべく整理中である。 本年度はまた、人文社会諸科学の専門分化の現状を社会学的に分析するために、学術情報センターの「研究者ディレクトリ」データベースから研究者のサンプル(約1万人)を抽出し、その経歴、専門分野、所属学会、研究課題などを統計的に分析可能な形にデータ変換をしている。手始めに、複数の学会への参加状況をもとに学会間の関連度を求め、それをもとに約120の学会の布置状況を図示する予定である。
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